クリストファー・クロス/ジャパン・ツアー2015
Christopher Cross/Japan Tour 2015
2015年4月24日(金)[わくわくホリデーホール(札幌市民ホール)]
01 |
Got To Be A Better Way |
ガット・トゥ・ビー・ア・ベター・ウェイ |
02 |
Never Be The Same |
もう二度と |
03 |
Reverend Blowhard |
リヴェレンド・ブロウハード |
04 |
Sailing |
セイリング |
05 |
I Don't See It Your Way |
アイ・ドント・シー・イット・ユア・ウェイ |
06 |
Light The World |
ライト・ザ・ワールド |
07 |
Everything |
エヴリシング |
08 |
Swept Away |
スウェプト・アウェイ |
09 |
Think Of Laura |
忘れじのローラ |
10 |
Hey Kid |
ヘイ・キッド |
11 |
Open Up My Window |
オープン・アップ・マイ・ウィンドウ |
12 |
Back Of My Mind |
バック・オブ・マイ・マインド |
13 |
I Really Don't Know Anymore |
愛はまぼろし |
14 |
Arthur's Theme (Best That You Can Do) |
ニューヨーク・シティ・セレナーデ |
15 |
Ride Like Wind |
風立ちぬ |
アンコール |
16 |
"V" |
"V" |
クリストファー・クロスはほぼ毎年、日本に来てはいるのですが、
札幌に来て、単独公演を行ったのは約10年ぶりで、僕もそのとき以来の鑑賞でした。
今回は新作アルバム Secret Ladder(シークレット・ラダー)を引っさげてのツアーだったので、
やはり新作が中心となる公演だったのですが、古い曲の連発を期待した人には物足りなかったかも。
でも、個人的には Secret Ladder(シークレット・ラダー)は久々にクリスの気合を感じさせる、
コンテンポラリーとしては、出来の良い作品だっただけに、もっと聴きたかったぐらい。
会場は、札幌市民ホールから「わくわくホリデーホール」とネーミングライツで
名称変更した会場で、ここは6年前に出来立てだった頃に、今は亡きジョー・サンプルを見た会場だ。
未だに中はキレイな清潔感を保てており、シンプルな構造ですが、とっても良いホールですね。
久々のフルセットの単独公演ということで、
ラジオでも公演前日までチケット発売の宣伝をしていたので、客足がかなり心配だったのですが、
おそらく2階席は数名しかいなかったので、ほぼ閉鎖状態だったとは言え、1階席はそれなりに埋まっていました。
(ひょっとしたら、かなりの“招待客”がいたのかもしれません・・・)
いずれにしても、ギャランティーが合わないのかもしれませんが、
招致側も今のクリスの札幌公演で、この札幌市民ホールでもキャパが広すぎるのかもしれませんね。
10年前でZEPPだったのですから、今はもっと狭いホールでもいいぐらいかなぁとは思いました。
開演は19時の予定でしたが、開演のブザーは5分前に鳴ったものの、
実際にクリスがステージに登場してきたのは、約5分遅れ。そこから1時間30分ほどのステージでした。
僕はコンサートの始まる瞬間が好きなのですが、なんか今回は演出があって、
ステージ後方にあるスクリーンに映像が映し出されて、「歓迎してください、クリストファー・クロスです!」と
ナレーションがあって、これはベタな演出とは言え、僕はライヴでこういう演出は初めて見た(笑)。
最初の Got To Be A Better Way(ガット・トゥ・ビー・ア・ベター・ウェイ)から、
元々POPなキラーチューンだったのですが、とても熱のこもった演奏で、相変わらずクリスは丁寧に演奏します。
パフォーマンス一つ一つに荒々しさはないのですが、10年前に見たときも思いましたが、相変わらず上手い。
声は声量こそ落ちたようには思いますが、
それでも相変わらずのハイトーン・ボイスを出せていて、容姿とのギャップは相変わらず(笑)。
「今回は新作アルバムと、古い曲を交互にやるよ」みたいなMC入れて、
続いた曲は1stアルバムから Never Be The Same(もう二度と)は、やはり客席からの拍手も大きい。
続く曲は新作から Reverend Blowhard(リヴェレンド・ブロウハード)。
この曲はスタジオ・ヴァージョンでも十分にインパクトある曲でしたけど、ライヴで聴くとより良かったですね。
今回は半ば、新作アルバムのプロモーションもあったでしょうから、より彼らの思い入れも強かったのでしょうけど、
この新作アルバム Secret Ladder(シークレット・ラダー)の曲って、ライヴ映えする曲が多いですね。
そして、クリスが「インプロヴィゼーションに長けたピアニスト」として紹介した、
エレピに座ったオジサンが長い長い即興演奏を披露して始まったのは、名曲 Sailing(セイリング)。
これは確かに何度聴いても良い曲ですね。おそらくクリス自身も自身のライヴで歌わなかったことはないのでしょう。
そして、I Don't See It Your Way(アイ・ドント・シー・イット・ユア・ウェイ)も良くって、
続いたのは、やはり新作から Light The World(ライト・ザ・ワールド)。これをやったのは、意外だった。
オリジナルでは、マイケル・マクドナルドと久々にタッグを組んで、
彼の勇壮なヴォーカルが大々的にフィーチャーされた楽曲だったので、ライヴではやらないのかと思っていました。
しかし、マイケル・マクドナルドのヴォーカルは女性バック・コーラスに任せて、見事なアンサンブルを演出。
そして、数年前に発表したアルバム Doctor Faith(ドクター・フェイス)からの
Everything(エヴリシング)も良かった。
ここでは冒頭にベーシストの長いソロがあって、
途中からはサックスとの掛け合いを展開し、少しばかりジャズっぽい雰囲気を出します。
このサックスの人、たぶん日系の人だと思うんだけど、凄く器用な人でとっても上手いですね。
そして Swept Away(スウェプト・アウェイ)では、女性コーラスの一人を連れてきて、デュエット。
後半の Open Up My Window(オープン・アップ・マイ・ウィンドウ)では、もう一人のコーラスとデュエットでした。
椅子を設置して、Think Of Laura(忘れじのローラ)を演奏しようとするのですが、
どうやら使うギターを間違えたようで、「ドーモスミマセン」と日本語で言ったり、「Getting
old...(年とったな)」と
ボヤいたり、先月、東京で見たジャクソン・ブラウンと同様に妙に人間臭いクリスが印象的でしたね。
終盤は I Really Don't Know Anymore(愛はまぼろし)からスタンディングに戻って、
曲の後半に少しだけラウドな感じで演奏して、コンサートも終盤にさしかかった雰囲気が出てきます。
そして、ついにやってきました、
「日本人に名づけてもらった曲、“ニューヨーク・シティ・セレナーデ”です!」
このMCに会場、たぶんこの日、一番の拍手喝采(笑)。やっぱり、みんなこの曲を聴きたかったんですね。
ステージ後方のスクリーンに、この曲が使われた映画『ミスター・アーサー』に関連する映像が映し出されましたが、
若き日のクリスと、映画に主演した在りし日のダドリー・ムーアのオフショットには、何故か感動しちゃいましたね。
この曲、日本でも有名な曲ですけど、世界的にも大ヒットし、
アカデミー賞でも歌曲賞を受賞した、バート・バカラックも作曲に絡んでいるだけあって、ホントに良い曲ですね。
中間のサックス・ソロも、10年前に見たときはギター・ソロに置き換えられていましたが、今回はバッチリ(笑)。
そのまま、なだれ込むように Ride Like Wond(風立ちぬ)に突入。
さすがに力強い良い曲ですね。個人的には「短いなぁ・・・」と思ってたのですが、予想通り、ここで本編終了。
(オマケにこの曲の間、スクリーンで西部劇映画の映像を集めて流していたのですが、曲の終わりに
The Endと・・・)
まぁ・・・いいんだけど、あのスクリーンの映像は少し余計だったかなぁ・・・。
最後はステージ中央にメンバー並んで一礼して、手を振るのですが、
何故かクリスだけがステージから降りずに、そのままアンコールへ突入(笑)。
アンコールはアップテンポな曲ではなくって、
新作からのアコースティック・バラード "V"("V")で終了でした。
やはりAORを代表する歌い手なだけあって、アーバンな空気を重要視したのかもしれませんね。
まぁ贅沢なんだろうけど、個人的には、もう2、3曲あって、あと10分ぐらいはやって欲しかったなぁ・・・。
客席の年齢層が高いせいか、あまり盛り上がるという雰囲気ではありませんが、
内容的には結構、良くって、相変わらずクリスは丁寧にギターを弾くし、これ見よがしではないが凄く上手い。
サポートするバンドメンバーも、ホントに上手い人ばかりを選出したということが、よく分かる面々でした。
もう、札幌で見るのは難しいかもしれませんが、
是非とも、北海道のイベンターはもっと頑張って欲しいなぁ・・・。
さすがに海外アーティストが来道することは減ったし、大物が東京止まりなことが増えただけに、
こういうアーティストのコンサートはもっと大切にして欲しい。6月にボズ・スキャッグスも来るようなので、
こういう機会を大切にして、北海道にも海外アーティストを積極的に呼べるようになって欲しいですね。