山下 達郎/Performance 2025

2025年12月2日(火)[札幌文化芸術劇場 hitaru]

        

01 SPARKLE
02 Sync Of Summer
03 ドーナツ・ソング / ハンド・クラッピング・ルンバ / Iko Iko / ドーナツ・ソング [Medley]
04 Down Town
05 土曜日の恋人
06 風の回廊(コリドー)
07 世界の果てまで
08 Forever Mine
09 すてきなメロディー
10 DANCER
11 Blue Velvet
12 Bella Notte / Deck The Halls / クリスマス・イブ / 蒼茫 [Medley]
13 BOMBER / SILENT SCREAMER [Medley]
14 LET'S DANCE BABY / THE THEME FROM BIG WAVE / ヘロン / パレード / さよなら夏の日 / ゲット・バック・イン・ラブ / LET'S DANCE BABY / MOVE ON [Medley]
15 アトムの子 / アンパンマンのマーチ(ドリーミング) / アトムの子
アンコール
16 オノマトペISLAND
17 Ride On Time
18 いつか (SOMEDAY)
19 YOUR EYES
3年目の正直と言わんばかりに、やっと当選したタツローさんのライヴでした(笑)。

いや、これがホントに当たらない。どうやら2008年からツアー活動を本格再開して、
商魂たくましい(笑)タツローさんのMCによると、「だんだんチケットの競争率は高くなっている」とのこと。
やっと当たったチケットでしたけど、これはホントに行けて良かった。ご本人も「私は変人です」と言うくらいですから(?)、
いろいろと賛否はあるかもしれないけど、やっぱりタツローのライヴはホントに価値がある。一度は絶対に行くべき。

正直、僕の中ではhitaruは入退場が面倒なので、あんまり好きじゃないんだけど(苦笑)、
「絶対にアリーナではコンサートをやらない」というポリシーを貫くタツローさんがやる会場としては、
札幌なら、確かにhitaruくらいしかないというわけ。取り壊された北海道厚生年金会館がお気に入りだったそうですけど、
他に丁度良い会場はないですからね。どうやら最初はシックリ来てなかったみたいですけど、今は“鳴り”が良いそう。

観客の年齢層は高いと言えば高いですけど、まぁまぁ若い人もいたように見えましたね。

開演予定時間の18:30、ほぼ丁度くらいに会場は暗転。ここから2時間50分ほどのライヴでした。
タツローさん曰く「かつて、六本木のPIT INNで4時間45分というライヴをやったことがある」と言っていましたが、
さすがに僕が観たライヴとしては、最長時間かな。まぁ、MCもそれなりに長いので、他とは比べ難い部分もありますが。

それからセットリストの通り、メドレー形式にしてワンコーラスだけ歌うとかも多いので、
一曲一曲が結構長い。特に終盤はインプロヴィゼーションというか、アドリブ演奏の掛け合いな部分もあって、
オールドなファンにも楽しめるように構成されていますし、タツローさん本人もそうしないと満足できないらしい。

今回はツアーはデビュー50周年ということもあって、10年区切りでシングルとして発売された曲を取り上げました。

ライヴ開始から3曲はほぼ喋らずに歌ってギター弾いて、という感じでしたが、
冒頭の『SPARKLE』のカッティング・ギターからカッコ良い出だし。しかも、御年72歳とは思えぬ張りのある強い歌声。
若い時からこだわってアカペラをやったりするだけあって、ヴォーカルには自信があるのでしょうけど、
とにかくこの若々しくも、良い意味でオリジナルの歌声の“まんま”というのが、驚きでしかなかったですね。

そりゃ、若い時のタツローさんのライヴを見てきた人に言わせれば、衰えが隠せないのかもしれませんが、
それでもこのヴォーカルは驚異ですよ。「酒を止めて、声が出るようになった」と語ってましたけど、とにかくスゴい。

75年のシングルということでシュガー・ベイブ℃梠繧フ名曲『Down Town』。これはカッコ良い。
個人的にはライヴの終盤に演奏してもいいくらいの曲だなぁと思うので、ここで取り上げちゃうのが勿体ないくらい。
85年...というか、80年代はタツローさんが数多くのヒット曲を放っただけに、85年からは2曲取り上げることに。
最初は『土曜日の恋人』、これはテレビ番組で使われたようだ。そして、長めに前奏が続いた『風の回廊(コリドー)』。

共にシティ・ポップの最先端を行っていた時代の息吹を感じさせる、良い曲です。音が漂っているような気がする。

90年代は『世界の果てまで』で、これはライヴで取り上げるのは珍しい...というかタツローさん本人が
「90年代は色々とトラブルを抱えていて、この曲も売れなかった」と話していて、ベスト盤にも収録されたこともあって、
「実はこの曲、好きなんですと言われることがあるのですが、ならあの時買ってよと思っちゃう」とブラックなMCも。

そして、2005年に発売された『Forever Mine』は珍しく、ギターを置いてマイクを両手に持って、
椅子に座ってジックリ歌うのですが、「自分で作った歌なのでアレですが、この曲の歌がメチャメチャ難しい」と
苦笑いしながら歌に入っていきました。でも、ひょっとしたらこの曲はこの日、最大のハイライトだったかもしれない。
それくらい、この曲はビビッと来た感じ。「我ながら、今日は上手く歌えた」と自画自賛の照れ笑いでしたから、
タツローさん本人にとっても、この『Forever Mine』のテイクはかなりの手応えがあったのかもしれませんね。

2010年代はスキップして(笑)、いきなりシュガー・ベイブ≠ノ戻って『すてきなメロディー』を軽快に歌う。

そして『DANCER』でサックスを大々的にフィーチャーして、タツローさん単独のアカペラ・コーナーへと。
メドレーにして『クリスマス・イブ』になったらバンド形式に戻しましたが、そこから続く『蒼茫』は徐々にパワフルになる。
この辺から後半に差し掛かりますが、「私のライヴは最初っから立ち上がらないでくださいとお願いしてます」とのことで
それまでは1階席の方々も落ち着いて鑑賞してました。『BOMBER』からは1階席の前列の方々は大盛り上がりのよう。

ただ、ホントは『LET'S DANCE BABY』から立ち上がるのがお約束らしく、これはフライングらしいですね・・・。
(「常連さん」と呼ばれるオールドなファンの方々には、色々とルールがあるようですね)

その『LET'S DANCE BABY』では途中でお約束のクラッカーが客席から鳴らされますが、
これは事前に知っていたけど...想像以上に多くの方々がクラッカー持参で来ていたようでビックリしました(苦笑)。
このときのメドレーも何曲も挟んでいたから長かったですけど、『THE THEME FROM BIG WAVE』なんかは
ワンコーラスだけチョット歌うんじゃ物足りないので、いつかはフルコーラスで演奏したのを聞きたいですね。

アンコールに入ったところで、だいたい開演から2時間30分くらい経過していました。
2、3分のインターバルを経て、タツローさんはシャツを着替えて再登場。アンコールも4曲演奏してくれました。

アンコール前に新曲の一つである『MOVE ON』はCMエディット・ヴァージョンと短かったですけど、
ポケモンのストップ・モーション・アニメのテーマ曲である『オノマトペISLAND』はフルコーラスで演奏。
最後にポケモンの声を入れたりしてコミカルな感じですけど、曲自体はタツロー節がしっかり込められていますね。

アンコールは『Ride On Time』も『いつか (SOMEDAY)』も良かったけれども、
バンドメンバー全員がステージから去ってからタツローさんのアカペラで歌い上げる『YOUR EYES』の〆は感動。
やっぱり唯一無二の歌声。これはとっても感動的なラストでした。で、本人がステージにいるうちに客電が点く(笑)。

これはこれで予定通りのプログラムだったのでしょうけど、本人が御礼している最中に客電点くのは初めて見た(笑)。

それにしても、評判の高さに納得のライヴでした。本人もMCで「4階席の奥のアナタにも届くように頑張ります!」と
言っていましたが、ホントにそんな感じの内容。なかなかあそこまで70歳を超えてから出来ることではないですよ。
欲が出てきて、「次はあれが聞きたい、これが聞きたい」という願望が出てきたので(笑)、また応募すると思います。

想像以上でビックリしたのは、そのサービス精神の高さですね。正直、テレビに出ない人なので
どんな雰囲気なのか、ライヴではどういう姿勢で対峙するのか、まったくよく分からず行ったのでこれはビックリ。
多少、自慢話や説教臭い話しはありますけど(笑)、でも、しきりにファンへの感謝の言葉を口にしていますし、
“一見さん”へのアピールも忘れずにするあたりがスゴい。こだわりも強い人なのだろうけど、優しさも垣間見れます。

そりゃ長く見ているファンであれば、多少なりとも衰えが見えているのかもしれませんが、
この2時間50分はスゴく贅沢な時間だったと思います。チケットがなかなか獲れないのがネックですけど、
これで1万2000円とはコスト・パフォーマンスは最高です。ご本人も言ってましたけど、来年もツアーをやるそうです。