スター・ウォーズ/ジェダイの帰還(1983年アメリカ)
Star Wars : Episode Y Return Of The Jedi
全世界の『スター・ウォーズ』シリーズの大ファンが待ちに待っていたシリーズ第3弾の“エピソード6”。
今回は前作のアービン・カーシュナーから監督が交代し、81年の『針の眼』がジョージ・ルーカスの目に留まり、
同作の出来を高く評価されたことで監督に抜擢されたリチャード・マーカンドで、彼の代表作と言っていいだろう。
上手く“エピソード6”へとつないだ前作の『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』ほどの人気はないのかもしれないが、
僕はこれはこれで上手く構成された、一区切りとなる“エピソード6”だったと思います。これも、よく頑張りましたよ。
劇場公開当時の本作の邦題は『スター・ウォーズ/ジェダイの復讐』でしたが、いつの間にか変更になったんですね。
正直、敢えて邦題まで変更した理由がよく分からなかったけど、映画のクライマックスを象徴したタイトルにはなった。
まぁ、ジョージ・ルーカスが後に再編集して発表した“特別編”の影響がデカかったでしょうし、
04年には後にアナキン・スカイウォーカーを演じることになるヘイデン・クリステンセンを登場させたりして、
随分と余計な再編集をしていた印象があったので、賛否は分かれるでしょうけど、それでも見事な“〆”だったと思う。
物語としては、前作のエンディングで凍らせられたハン・ソロがジャバ・ザ・ハッドの手に渡ってしまい、
ジャバ・ザ・ハッドがアジトとする宮殿から、なんとかしてハン・ソロを取り返そうとその宮殿に乗り込んでいって、
ジャバ・ザ・ハッドと交渉して最後はてんやわんやの大合戦になるという攻防が、映画の序盤から約35分あります。
ここから映画が始まって、なんとかしてハン・ソロを奪還して再び、デススターを立て直しつつあった帝国軍に
戦いを挑んでいきます。ルークはルークでまるで導かれるようにダース・ベイダーと対峙すべく、単身で乗り込みます。
どうでもいい話しですが...本作でやたらと気になってしまったのは・・・
ジャバ・ザ・ハッドの宮殿での闘いのシーンでは、キャリー・フィッシャー演じるレイア姫がやたらと露出度の高い
ファッションで闘っていること。ついでに言えば、キャリー・フィッシャーも前作から一気に大人の女性になった感じで、
これまでの彼女の印象とえらく変わってしまったような気がする。さすがにシリーズが始まって6年も経ってますからね。
何があったのかは知りませんが、前作までの彼女のイメージとのギャップは随分と大きいように感じましたね。
(映画の前半のキャリー・フィッシャーはほぼほぼビキニ姿で通しているのは、ある意味では本作の見どころかも・・・)
強いて言えば、要所で見どころのあるアクションを織り交ぜて、“エピソード4”から一区切りとなる“エピソード6”へと
巧みにつなげた前作と比較すると、若干、映画の流れがゆっくりな感じで、パペットのような人形を使って
ドラマを展開させるシーンが長めにあるので、映画の中盤はもう少しテンポアップさせて描いた方が良かったかなぁ。
やはりジョージ・ルーカスが最も強く描きたかったのは、ルークの出自に関わる部分だったと思うので、
そこに至るまでの余計な部分はもっとコンパクトにしても良かったかな。その代わりに、皇帝はもっと手強くして欲しい。
そう、この映画で描かれる皇帝は、ずっと帝国軍を典型的な恐怖政治で締め付けてきた存在であり、
ダース・ベイダーに暗黒を教え込み服従させ、その他大勢となる部下たちも皇帝の存在を強烈に恐れているのです。
そうであるならば、もっと強烈な能力を発揮する姿を見たかったし、冷酷非情な強さを象徴する姿を描いて欲しかった。
ところが、本作で描かれる皇帝は多少なりともルークを痛めつけるところまではいくけど、最期は実にアッサリしたもの。
僕は本作が一区切りとなる作品だったことを思うと、よく頑張った作品だったと思うし、
ジョージ・ルーカスが描きたかったことはしっかりと描けたのではないかと思う。が、しかし...ところどころ勿体ない。
やはり悪が手強い映画だと、それだけ“倒し甲斐”があるってもんだし、もっとエキサイティングな映画になったはずだ。
パペットのような人形たちを原住民イウォークとして登場させて、ハン・ソロたちに協力してもらうのですが、
さすがにこのパペットたちが絡んでくるアクションはツラい。ここだけ、なんだかミニマムな世界観に映ってしまう。
せっかくジョージ・ルーカスが壮大なスケールの世界観を映像化して、ILMの素晴らしい映像技術を使ったのですから、
もっと徹底して壮大なスケールで描き続けて欲しかった。本作で一つの区切りを迎えることは明白だったのですしね。
一方では、これが好きで本シリーズらしさをこういったところで感じる人もいるでしょう。
結局、何を求めるかで変わってしまうけど、僕は壮大なスペース・オペラとしてアドベンチャー性を持っていて欲しいし、
不思議なキャラクターとの出会いも、まぁいいんだけど・・・如何に帝国軍をやっつけるかにフォーカスして欲しい。
ちなみに前作で凍結されて、ジャバ・ザ・ハッドに形見のようにして凍結状態のまま捕らえられたハン・ソロは、
実にアッサリとメイン・ストーリーに帰ってくる。もう売れっ子になっていたハリソン・フォードですが、実に楽しそう。
やっぱりこの頃のハリソン・フォードと言えば、『インディ・ジョーンズ』シリーズと『スター・ウォーズ』シリーズが鉄板だ。
前作では随分とレイア姫にまつわるロマンスに関する描写が多くて、重要なファクターとして扱われてましたけど、
本作ではルークの秘密が分かるにつれて、ロマンス色は薄らいでいきますが、ハン・ソロだけは継続していたみたい。
勝手にいろいろな推測をして、「身を引くよ」みたいに少々うぬぼれ気味ですが、それも誤解と分かって安堵する(笑)。
そんなハン・ソロが人間臭い部分を見せますが、その分だけルークがダース・ベイダーとの対峙に向かっていきます。
で、それがルークの出自を知るという核心に迫っていくストーリー展開になっているのは良いんだけど、
前述したように皇帝があんまり強くない。これならダース・ベイダーも反逆しようと思えば、できたんじゃないか?と
素朴な疑問に苛まれるところですが、本作の設定としてダース・ベイダーはある種の洗脳を受けていたということかな。
似たようなことはダース・ベイダーにも言えて、これまでは冷酷非情に成果を上げられない部下を殺していき、
散々「皇帝はお怒りになっている」と恐怖政治を助長してきたので、さぞかし強いのかと思いきや、実はそうでもない。
前作でもルークとライトセーバーで闘うシーンはありましたが、本作のクライマックスでも見どころとして再戦する。
ところが、洗脳を受けていたダース・ベイダーの心にルークが触れて、心変わりさせるという展開になっていて、
さすがに僕はこれは説得力がないと思ったなぁ。この辺は“エピソード1”にも関係するところですが、イージー過ぎる。
結局、この展開自体が本作のスケール感を小さくした原因でもあるのですが、
これは本来的にルークの出自に関わる冒険活劇なので、最終的にこうなってしまうこと自体は僕は仕方ないと思う。
しかし、ダース・ベイダーの改心というのは、とても大きな意味を持つことなので、もっと慎重に描いて欲しかった。
とは言え、どこかで物語を収束させなければならないため、この結末に至ることはごく自然なことでしょう。
個人的にはダース・ベイダーが仮面を外すところは見たかったような見たくなかったような・・・だけど、
それでも、この“エピソード4”から“エピソード6”にかけての三部作のハイライトは、ほぼ間違いなくここなのだろう。
そして、大団円のようなラストシーンになだれ込むわけですが、ここでもパペットたち大集合かい(笑)。
ここまでしつこく登場させるということは、本シリーズに於ける重要キャラクターなのだろうし、ジョージ・ルーカスも
イウォークのことをそれなりにしっかりと描きたかったのだろう。その割りには、全体的に軽い感じなんだけども・・・。
まぁ、当時はジョージ・ルーカスも描きたかったことを本作でやり切った感はあったのだろう。
それでも表現し切れなかった部分があるから、後に“特別編”を製作したのだろうけど、これは正直やめて欲しかった。
とは言え、僕はリアイルタイムで本シリーズを楽しんでいたわけではなく、幼い頃にテレビ放映を楽しんでいたのですが、
この“特別編”は当時、テレビ放送していたオリジナル・ヴァージョンとは若干違うので、印象が変わって観えてしまう。
第1作の良い意味での手作り感が好きだったので、僕はアナログ的な部分を残していた本作までが好きだったなぁ。
この手作り感が炸裂するのは、映画の冒頭から続くジャバ・ザ・ハットの宮殿でのシーン、
そしてジャバ・ザ・ハットが処刑を敢行しようとするシーンだったわけで、これも“特別編”ではキレイになっちゃった。
どうでもいい話しかもしれませんが...ルークは前作でヨーダから特訓を受けたものの、
ヨーダからは「まだ特訓は終えていない」とクギを刺されていたにも関わらず、血気盛んなルークは飛び出して、
帝国軍に闘いを挑んでいきますけど、フォースの使い方を会得しながら成長するのはいいとしても、特訓を終えずに
ダース・ベイダーとの対峙や皇帝と直接対決するなんて、あまりに無謀過ぎないのか?と疑問に思えてならなかった。
それでも、大団円のラストにつながるということは、ヨーダとの特訓の意味合いが弱くならないのだろうか?
そのヨーダとの別れもビックリするほどアッサリと迎えてしまうので、どこか映画のテンションが高まらない気がしたけど、
ルークは亡き先輩方に見守られながら生き続けるという、不思議な力に溢れる勇者として、これはこれでいいのかも。
とまぁ・・・僕は手放しで称賛するほどの映画ではないのですが、シリーズ一区切りとして観ておいた方がいいかと。
(上映時間134分)
私の採点★★★★★★★★☆☆〜8点
監督 リチャード・マーカンド
製作 ハワード・カザンジャン
原案 ジョージ・ルーカス
脚本 ジョージ・ルーカス
ローレンス・カスダン
撮影 アラン・ヒューム
特撮 リチャード・エドランド
フィル・ティペット
デニス・ミューレン
ILM
音楽 ジョン・ウィリアムズ
出演 マーク・ハミル
ハリソン・フォード
キャリー・フィッシャー
アンソニー・ダニエルズ
ビリー・ディー・ウィリアムズ
ピーター・メイヒュー
アレック・ギネス
フランク・オズ
デビッド・プラウズ
ケニー・ベイカー
1983年度アカデミー作曲賞(ジョン・ウィリアムズ) ノミネート
1983年度アカデミー美術監督・装置賞 ノミネート
1983年度アカデミー特別業績賞 受賞
1983年度アカデミー音響賞 ノミネート
1983年度アカデミー音響効果編集賞 ノミネート
1983年度イギリス・アカデミー賞特殊視覚効果賞 受賞