ランディ・クロフォード・アンド・ジョー・サンプル・トリオ featuring スティーヴ・ガッド/ジャパン・ツアー2009

Randy Crawford And Joe Sample Trio featuring Steve GaddJapan Tour 2009

2009年3月16日(月)[札幌市民ホール]

       

01 Hipping The Hop ヒッピング・ザ・ホップ
02 Spellbound スペルバウンド
03 Memories メモリーズ
04 X Marks The Spot X マークス・ザ・スポット
05 Gee Baby, Ain't I Good To You ジー・ベイビー、エイント・アイ・グッド・トゥ・ユー
06 Rio De Jameiro Blue リオ・デ・シャネイロ・ブルー
07 Everybody's Talking 噂の男
08 This Better Earth ディス・ビター・アース
09 Respect Yourself リスペクト・ユアセルフ
10 No Regrets ノー・リグレッツ
11 Me Myself And I ミー・マイセルフ・アンド・アイ
12 Feeling Good フィーリング・グッド
13 Tell Me More And More And Then Some テル・ミー・モア・アンド・モア・アンド・ゼン・サム
14 End Of The Line エンド・オブ・ザ・ライン
15 One Day I'll Fly Away ワン・デイ・アイル・フライ・アウェイ
16 Street Life ストリート・ライフ
アンコール
17 Almaz スウィート・ラヴ
18 Happiness Is A Thing Called Joe ハピネス・イズ・ア・シング・コールド・ジョー
今冬、新生した札幌市民文化ホール。
テレビ塔のすぐ側という、都心部に立地するという、条件がとても良いコンサート・ホールです。

耐震構造的に問題があると指摘されていた古い建物の時代のときは、
私は高校の芸術鑑賞で映画『サイモン・バーチ』をここで観ており、とにかく古い!という印象しかありません。

しかしながら、さすがに新しいホールは小じんまりとはしていますが、キレイですね。
但し、客席数が1500ほどしかないし、ただでさえイベントの減っている札幌ですから、
この規模のホールではイベンターも使いづらいだろうなぁと予想され、今後の稼働率が心配ですね(笑)。

さて、今回、初めてジャズ・フュージョン系のコンサートに参加してきました。
今回の企画のフロントマンであるジョー・サンプルは知っていますが、彼の曲はほとんど知りません。
ましてや今回のメインであるはずのクルセイダーズ≠ヘ、Street Life(ストリート・ライフ)ぐらいしか知らない。
けど、今回、見る気になったのは、ドラムとしてスティーヴ・ガッドが来るからなんですよね。
なんせガッドはクラプトンのドラムとして、01年と03年の来日公演を見ておりますから、親しみ深いのです。

で、今回も会場にいましたよ。あからさまなガッド・ファンが(笑)。

開演予定の19時になると、会場全体にアナウンスがかかり、
すぐに静まりかえる客席の様子は、まるで上映開始直前の映画館といった感じで(笑)、
5分ぐらい経ったら、ようやっと客電が落ちて、ステージにジョー・サンプルと彼の息子でベーシストのニック、
そしてドラムのスティーヴ・ガッドの3人がトボトボと歩いて登場し、会場から拍手の嵐でした。

最初は3人で演奏を始めたのですが、正直言って、最初は思い切り戸惑ってしまいましたよ。
だって、3人で始めた演奏があまりに思い切り「どジャズ」なんだもん(笑)。
もっとフュージョン寄りのサウンドかと思いきや、若干の緊張感すら感じさせるストイックなサウンドで、
ジョー・サンプルのピアノも意外にアグレッシヴで、気づけば3人のインタープレイ合戦。

最初の5曲、約30分ほどでしたが、この「どジャズ」は続いていきます。
この5曲で一番良かったのは、ジョー・サンプルが「ニューオーリンズのお墓が・・・」とMCを入れて、
演奏を始めたX Marks The Spot(X マークス・ザ・スポット)ですね。これがダントツにカッコ良かった。
ひじょうにモダンで、ニューオーリンズのいかがわしさを、的確に表現できていたように思いますね。

そこで一段落し、ステージに登場したのは、それは大柄な女性ヴォーカルのランディ・クロフォード。

風貌からして、アメリカ南部の強きママって感じで、
チョットだけシャンソンっぽい感じなんだけど、軽々と歌い上げる感じで、凄い力量の高さ。

Everybody's Talking(噂の男)はすぐにそれと分かるぐらいで、会場も盛り上がったし、
Respect Yourself(リスペクト・ユアセルフ)はジョー・サンプルのファンキーなピアノがカッコいい!
突然、クルセイダーズ℃梠繧フOne Day I'll Fly Away(ワン・デイ・アイル・フライ・アウェイ)を演奏し始め、
冬だったのに、ランディ・クロフォードは汗をかいて暑くなったせいか、水を持ってきて、自分の身体にかけ、
しまいには会場の前列のお客さんにもかけ始めるという、意味不明な行動にでたり、イタズラし放題(笑)。

アンコール前、最後のStreet Life(ストリート・ライフ)は3年前のボズ・スキャッグスの
コンサートでも演奏していたけれども、あくまでこっちが本家。やっぱりこれ、名曲ですねぇ。
さすがに多くのお客さん、Street Life(ストリート・ライフ)を聴きに来たようで、大歓声でしたね。

スティーヴ・ガッド目当てで行ったのですが、正直言って、今回はあくまで引き立て役でした。
若干、物足りなさはあるのですが、ベースの音量をスタッフに指示していたり、実質的なコントロールは
案外、彼が担当していたのかもしれません。相変わらず元気そうで、何よりって感じでしたね。

ジョー・サンプルは15年前の来日公演で心臓発作を起こしたこともあったそうなのですが、
もう70歳だというのに、凄く若々しくて元気そうでした。風貌は段々、ランディ・ニューマンに似てきましたね。

途中、ランディ・クロフォードが時差ボケなのか...
何故か訳も分からず笑いが止まらなくなるというハプニングがありましたが、
一人だけ全く違うテンションでステージに上がっていたのが、逆に面白かったですね(笑)。

ジョー・サンプルは日本が好きらしく、必ず年に一回は来日しているそうだ。
本人、スキーが好きらしく、以前は北海道へスキーをしに来たこともあったようで、
今も雑誌に「(日本へは)年に2回は来たいね」とコメントしているぐらいの親日家だ。

まぁそれを考えれば、ジョー・サンプルが高齢とは言え、
また札幌へ来て、ピアノを弾いてくれる日がやって来るかもしれませんね。それまで彼の曲を勉強してこなきゃ♪