ポール・ウェラー/ジャパン・ツアー2024

Paul Weller/Japan Tour 2024

2024年1月30日(火)[ZEPP SAPPORO]

       

01 Rip The Page Up リップ・ザ・ページ・アップ
02 Nova ノヴァ
03 Cosmic Fringes コズミック・フリンジズ
04 My Ever Changing Moods マイ・エヴァー・チェンジング・ムーズ
05 A Man Of Great Promise マン・オブ・グレイト・プロミス
06 All The Pictures On The Wall オール・ザ・ピクチャー・オン・ザ・ウォール
07 Stanley Road スタンリー・ロード
08 Glad Times グラッド・タイムズ
09 Village ヴィレッジ
10 Hung Up ハング・アップ
11 Fat Pop ファット・ポップ
12 More モア
13 Shout To The Top シャウト・トゥ・ザ・トップ
14 Jumble Queen ジャンブル・クイーン
15 Saturns Pattern サターンズ・パターン
16 Nothing ナッシング
17 Above The Clouds アバヴ・ザ・クラウズ
18 Into Tomorrow イントゥ・トゥモロウ
19 Start ! スタート
20 Peacock Suit ピーコック・スーツ
アンコール <1>
21 Old Father Tyme オールド・ファーザー・タイム
22 Headstart For Happiness ヘッドスタート・フォー・ハピネス
23 That Pleasure ザット・プレジャー
24 You Do Something To Me ユー・ドゥ・サムシング・トゥ・ミー
25 Tales From The Riverbank テイルズ・フロム・ザ・リヴァーバンク
26 Broken Stones ブロークン・ストーンズ
27 The Changingman チェンジングマン
アンコール <2>
28 Rockets ロケッツ
熱いぜ、カッコイイぜ、いつまでも沸き立つエナジーほとばしるポール・ウェラーだぜ!
「一時期、来日し過ぎたせいで有難みが薄れた」なんてコメントを見かけたが、一体誰だ、そんなこと言ったのは!(笑)

どうやら30年ほど前に札幌に来たことはあったらしいのですが、何故か今回組み込まれたポール・ウェラー札幌公演。

確かに年はとったけど、それは仕方ない。一時期、お腹が少し出て来たようにも見えてたけど、
それでも相変わらずスリムでちゃんと維持しているし、オシャレな“イケおじ”。コロナ禍のときもSNSで積極的に
情報を発信してました。そんな彼は言わば“旅人”であって、モッド・ファーザー≠ネんて呼ばれてもいたけど、
あまりそういう固定観念に捕らわれ、自分のイメージが固定化するのを好んではいないのでしょう。
だからこそ、これまでの彼の音楽活動は多岐に亘るものであり、40年を超えるキャリアもバラエティに富んでいる。

ただ、そんな中で一貫しているのは、ザ・フー≠竍ビートルズ≠ネどのブリティッシュ・ロック、
それからマービン・ゲイらのソウル・ミュージックへの強いリスペクトでしょう。これはこの日のコンサートからも
ヒシヒシと感じました。確かにザ・ジャム≠フ頃のようではないけど、まだまだ熱いオヤジって感じ嬉しい!

あんまり言葉は適当ではないかもしれないけど、この日のチケットはなんと今どき珍しい価格設定の9,800円!
為替の変動が大きく、世界的な物価高で、「アルバム作ったって利益出ないから、もう作らないよ」なんて
アッサリとコメントしちゃってるポール・ウェラー本人からすると、こんな価格設定でホントにいいのか?と
真剣に問いたくなるほど。コスト・パフォーマンスが良かったし、これは行って大正解のライヴでしたね。

少し気温は高めで、ツルツルの夜道を歩き到着した久しぶりのZEPP SAPPRO。
客層の年齢層は高めだけど、開演前からテンション高め。自分と同年代っぽい人もチラホラいましたけどね。
10年ほど前に見たボブ・ディランのときのようにオール・スタンディングではなく、パイプ椅子が置かれていた。
ライヴハウスっぽい使い方ではないのかもしれないけど、この方が密集してなくて、正直、観易いと思った。

ステージがスゴく近く感じるし、1階席の後ろの方でもしっかりとバンド・メンバーが見えるので、とっても良い会場だ。
さすがに座席を配置すると、あんまり集客できないせいか、チケットは発売日に即売り切れだったので、
入手できてラッキーでした。2階席も埋まってたし。比較的後方になる15列目ではありましたが、全く問題なし。

正直、ポール・ウェラーは好きだったけど、最近のソロはあんまり真剣に“追っては”いなかったので、
今回のセットリストも結構、新しいソロの曲が多く知らない曲もありましたが、ソロになってからの曲の方が
心なしかポールのヴォーカルも熱を帯びているように聞こえた。実際の開演時刻は少々フライング気味でした。
19時開演の予定でしたが、1・2分くらい早かったと思います。お客さんは既に着席してたので、まぁいいのかな?

ステージに登場したポールも手を振りながら軽やかな足取りで登場。
この瞬間に客席、ほぼ全員総立ちで、そこからは一気に最後まで駆け抜けるステージでした。

最近はオルタナティヴ・ロックって感じになったり、リゾート・ミュージックのようになったり、
しっとりとバラードを歌ったりと、いろいろやってますが、とにかく1箇所に安住したいタイプではありません。
今回のライヴも新しめの曲が多く、最新アルバム Fat Pop(ファット・ポップ)からも多く取り上げており、
おそらく今の姿を評価して欲しいのでしょう。新しめの曲でも Nova(ノヴァ)とかはカッコ良かったですしね。

相変わらずギター小僧のように、かき鳴らし、相変わらず唾を飛ばしまくって歌いまくる。
曲によってはエレピを弾き、踊りながらタンバリンを叩き、チョイチョイ合間に水を飲む・・・と落ち着きはないけど、
落ち着いてしまったらポールじゃない!と思うと、相変わらずの若々しい姿に嬉しくなっちゃいました。

序盤では曲が終わったら、客席に投げキッス(笑)。
「アリガトウゴザイマァース」とか、時折、日本語を交えながらですが、結構、喋る人なんですね。
次の曲の紹介とか、「札幌に来たのは久しぶり。前回はいつのことだったか忘れたけど・・・」とか色々喋ってました。

Stanley Road(スタンリー・ロード)、 Glad Times(グラッド・タイムズ)、 Saturns Pattern(サターンズ・パターン)、
Nothing(ナッシング)、 You Do Something To Me(ユー・ドゥ・サムシング・トゥ・ミー)、
Tales From The Riverbank(テイルズ・フロム・ザ・リヴァーバンク)、 Broken Stones(ブロークン・ストーンズ)は
エレピを弾いて歌ってました。途中暑くなったのか、 Saturns Pattern(サターンズ・パターン)では上着を脱いで半袖に。

セットリストとしてはザ・ジャム℃梠繧フ曲は2曲、スタイル・カウンシル℃梠繧フ曲は4曲、
それ以外は全てソロ・キャリアとしての曲であり、最新アルバムの Fat Pop(ファット・ポップ)からは4曲で、
ソロ時代の曲も2010年代以降の新しめの曲が多く、懐古趣味に走るつもりはない!と宣言してるようなもの。

会場が盛り上がったのは、有名曲の My Ever Changing Moods(マイ・エヴァー・チェンジング・ムーズ)や
Shout To The Top(シャウト・トゥ・ザ・トップ)などスタカン時代の曲かもしれませんが、
やっぱり終盤の Into Tomorrow(イントゥ・トゥモロウ)で徐々に熱気を帯びていき、Start !(スタート)、
Peacock Suit(ピーコック・スーツ)と一気に畳みかける感じが良い。ここが、ほぼ間違いなくライヴのハイライト。

ここまでで開演から約85分、ここまでで20曲をノンストップで駆け抜けました。

アンコールまでのインターバルは少々長めで5分近くあり、その間は椅子に座って休憩しましたが(笑)、
さすがに冒頭から最後まで立ちっ放しは、結構疲れた(苦笑)。やっぱり、もう自分も立派なオッサンです(笑)。

アンコールにしたって、まずは7曲ですからね。ここから約30分続きました。
アンコールの最後を飾ったのはポールの代名詞とも言える The Changingman(チェンジングマン)でまた大盛り上がり。
ここで「アリガトウ Sapporo! Great, wonderful, wonderful audience!」と最大の賛辞を言い、メンバーで一礼。

期待された Town Called Malice(悪意という名の街)を最後までやらなかったのは残念だけど、
それでも個人的には The Changingman(チェンジングマン)をカットされなくて良かった!と思ってました。

正直、これで終わりかと思っていましたが、なかなか客電が点かない。
そこから、まさかのダブル・アンコール。長めに丁寧に挨拶していただけに、このダブル・アンコールは予想外でした。
後でSNSにアップされていた、バンド・メンバーが持っていたセットリストを見ると、当初予定していた曲から
Wild Wood(ワイルド・ウッド)はカットされて、アンコールでは Town Called Malice(悪意という名の街)、
Porcelain Gods(ポーセリン・ゴッズ)、 It's A Very Deep Sea(イッツ・ア・ヴェリー・ディープ・シー)、
Mayfly(メイフライ)なども候補曲として挙がっていたようですが、今回は Rockets(ロケッツ)が選ばれました。

最後の挨拶はアッサリと済ませ、終了。全部で28曲、2時間5分ほどの内容でした。
もう大満足の一夜。わざわざ札幌まで来てくれたこと自体が奇跡に近いのに、最高のパフォーマンスでした。
過去見てきたライヴの中でも満足度、充実度はかなり高いです。本州から来た熱心なファンもいたのでしょうし、
会場も大盛り上がりでとっても良かった。冬の寒い一夜をエネルギッシュに熱くしてくれた素晴らしいステージでしたね。

あまりお金のことを言いたくはないけど、これを9,800円+ドリンク代で見れたのは奇跡だと思います。
こんなんで呼び込み屋さん含めて、本人たちにもホントに利益あるのかな?と心配になっちゃうくらい。

ポールだけでなく、バンド・メンバーも息がピッタリなようで、オーシャン・カラー・シーン≠フ
スティーブ・クラドックが長くポールと一緒にやっていますが、やっぱり見せ場をしっかり作っていますね。
これはなかなか見れない、スゲーものを見せてもらったと思いました。確率は低そうですが、次もあればまた行きます。

ちなみに最新曲もやっていて Jumble Queen(ジャンブル・クイーン)はカッコ良かったですね。
ナンダカンダで、また新作を作ってくれそうな気もするので、まだまだ現役アーティストとしても期待してます!