玉置 浩二/LEGENDARY SYMPHONIC CONCERT 2023 "Navigatoria"

2023年4月25日(火)[札幌文化芸術劇場 hitaru]

       

01 歓喜の歌
02 あこがれ
03 ロマン
04 GOLD
05 キラキラニコニコ
06 MR.LONELY / ALL I DO / サーチライト [Medley]
07 あなたがどこかで
08 Friend
休憩(15分)
09 愛の戦友
10 行かないで
11 ワインレッドの心 / じれったい / 悲しみにさよなら [Medley]
12 JUNK LAND
13 夏の終りのハーモニー
アンコール <1>
14 田園
15 メロディー
アンコール <2>
18 田園
「邦楽も、玉置 浩二のコンサートはスゴい! チケットは争奪戦だけど・・・」と聞き、
一度は行ってみたいと思っていたところ、今回は交響楽団とのコラボレーション企画という
特別なコンサートに行くことができました。どうやら昨年、河口湖で行ったスペシャル企画のツアー化らしいです。

チケット代は13,000円とお値段そこそこしましたが、確かにスゴかった。
安全地帯≠フ曲は少しだけだったけど、それでも僕の中では十分な満足度。やっぱり凄まじい歌唱力です。
あの歌い方に賛否はあるかもしれないけど、まるでオペラ歌手のような神々しさすら感じさせる凄まじいオーラ(笑)。

これは口コミの評判が良いのは納得できます。是非とも、また行きたいと素直に思わせる内容でした。

チケットはやはり申し込みの段階から、「あっ、これは確かに争奪戦だわ」と分かるくらいの競争率の高さですから、
実際の客足も素晴らしく、自分のチケットも4階席という最上階でステージからは一番遠いところ。
しかし、ここでもバリバリ、玉置 浩二の生声が聞こえてくる。たまにオフマイクで歌うのですが、
あの距離でハッキリ聞こえるのはヤバい。噂に聞いてはいたけど、あれだけの声量で2時間歌うなんて信じられない。

ジャンルの偏りはあれど、今まで洋楽のライヴはそこそこ見てきたつもりですが、
あそこまで地声が強く、しっかりと歌を聞かせるタイプのコンサートは初めて参加しましたが、正に震える力強さですね。
また、コラボした交響楽団も50人くらいいるのですが、彼らの出す音に全くヴォーカルが負けないというのが驚き。

コンサートは定刻に始まって、途中15分の休憩を挟んで、開始から1時間50分後くらいに終わりましたので、
正味95分前後。アンコールはどうやら、前日は1回のみだったのですが、この日はオマケでダブル・アンコール。
(しかも、まさかの『田園』を2回やるという、大サービス。やっぱりヒット曲が盛り上がるのでね・・・)

前半はソロになってからの曲で、かなり歌の世界に入り込まないとダメな感じで、
僕の勉強不足もあり、よく分からない曲が続いたのですが・・・(ゴメンなさい...)、でも、やっぱりスゴい。
途中の休憩に入るとき、思わず「やっぱりスゲェーな」と唸ってしまいました。こういうライヴは初めてだったので・・・。

休憩開けは『行かないで』あたりから徐々に熱を帯びてくる感じで、会場の興奮も高まっていたように思います。
それが、やっぱり安全地帯≠フメドレーになだれ込むと、会場は同窓会会場のように顕著に盛り上がっていく。
この辺は玉置 浩二も分かっているようで、より力のこもったヴォーカルになっていき、楽団の指揮者のアクションも
テンション高く、デカくなっていきます。ただただシンフォニックな内容というわけではなく、しっかり盛り上げてくれます。

ただ、メドレーなのでフルコーラスではなかったことと、個人的には『熱視線』なんかを聴きたかった・・・。
あとは『碧い瞳のエリス』や『恋の予感』なんかは、こういう趣向のコンサートに合いそうでしたがね。
どうやら、今回は50人もいる交響楽団とのコラボ企画だったので、演奏曲は全ての公演で一緒だったようなのです。
違いは『田園』のダブル・アンコールがあるか、ないかくらい。まぁ、そりゃそうですよね。これだけの大所帯になると、
アーティストの気まぐれで、都度セットリストを変えることなんて無理ですよ。練習時間も限られていたでしょうしね。

そして、アンコール前の『夏の終りのハーモニー』はやっぱり名曲ですね。まだ春なんだけど(笑)。
玉置 浩二の師匠にあたる井上 陽水はいないのは仕方ないとして、一人で全てのヴォーカルをこなしますが、
情感たっぷりに歌い上げて、しっかりと聞かせてくれます。Youtubeで見た、安全地帯℃梠繧ノ
井上 陽水とジョイント・ライヴし、この曲を歌ったときの映像がシンクロするような気分になりました。
発表から30年以上経った曲ですが、シミジミと染み入ります。この曲がこの日のハイライトに相応しい雰囲気でした。

アンコールに入るときも、玉置 浩二がステージの袖に下がって、次に指揮者の方が下がってと、
やっぱり礼儀正しくという感じですが、楽団の方々の動きを見ていたら、「まだあるのかな?」と客席からも分かる。

約1分のインターバルを空けて、指揮者の方が戻ってきて、すぐに玉置 浩二が戻ってくる段取り。
そしてアンコールは『田園』と『メロディー』。これはもう大盛り上がり。盛り上がり過ぎてテンポがズレて、
身振り手振りで修正するというハプニングもありましたが、嫌な顔せずににこやかに応じていたのが印象的でした。
ああいうのって、嫌がるミュージシャンって少なくないと思うんですよね。演奏も乱しかねないですしね。

口下手なのは知ってますが、挨拶ぐらいはするのかなぁと思っていたら、
最初っから最後までMCは一言も一切なし。これも珍しいような気がしますが、僕はこれでも全然良いと思います。
おそらくですが、玉置 浩二としてもコラボした指揮者や楽団の方々が主役であるという意識があったのだと思います。

これだけ、しっかり歌を聴かせつつも、オーケストラの音とは“闘わない”というのも素晴らしいと思います。
お互いに負けじと個性を出し過ぎると、お互いの音が“闘ってしまって”、違うベクトルを向き始めます。
それがあくまでアンサンブルを演出する存在として、見事に調和する塩梅を作り出すのは難しいと思います。

僕はまたてっきり、個性の強い玉置 浩二がガンガン主張する内容なのかと思いきや、
「引くところは、しっかり引く」という感覚を持っているような印象で、僕の勝手な予想とは少々違いました。

会場はチケットの売れ行きが物語る通り、ほぼ空席なく満席と言っていい動員でした。
長いコロナ禍が開けつつある時期でもあり、次第に元に戻りつつある姿が何とも嬉しいですね。
以前であればコンサート会場なのに、声を出すなとか色々と規制がある中での開催という感じでしたが、
今回は写真撮影や動画撮影に関しては、厳しく注意喚起している感じでしたが、それ以外は通常通りでした。

まぁ、観客の年齢層は高めだったようには思いますが、思ったよりも若い人もいました。
今度は違ったスタイルでいいので、また是非とも行ってみたいですね。