ゴーストバスターズ(1984年アメリカ)

Ghostbusters

日本でもヒットしたSFXを駆使したホラー・コメディ。
当初はアメリカでの人気TV番組『サタデー・ナイト・ライブ』出身のジョン・ベルーシ主演で予定されていたものの、
彼が急死してしまったがために、ビル・マーレー、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミスで映画化されました。

とにかく今から25年も前の映画であることを感じさせない、
豪華に施されたSFXなどの視覚効果の数々が、実に気合の入った使い方をされており、
公開当時、あまりの派手さにビックリさせられた映画ファンも多かったのではないだろうか。
失礼な言い方ではありますが、それをこんなくだらない題材でやるもんだから、
ハリウッドのプロダクションも寛大ですね(笑)。さすがはバブルの時代ですわ(笑)。

まぁダン・エイクロイドとハロルド・ライミスが脚本を書いており、
基本的にはノリの良いストーリー展開としておりますが、映画として破綻しないように配慮されている。

ただ、あんまり最後のまとめが上手くないんですよね。
確かにクライマックスで登場してくる有名な“マシュマロ・マン”の発想は僕も大好きだし、
あれこそが本作の良い意味でのくだらなさを象徴していることは確かなのですが、
映画を観終わって思った率直な感想として、どうしても映画の後半の流れの悪さが目立つ。

徹底的にノリを重視したかのようなPOP感は、映画の前半が最高に気持ち良くって、
それは映画の後半に差し掛かると、次第に停滞してくるのはどうしても気になって仕方がない。

特にハロルド・ライミスは後に映画監督として活躍していることを考えれば、
まだまだ本作のシナリオの出来なんかは発展途上という感じがしますね。
これはアイバン・ライトマンの演出にしても同様で、スタッフのノリの良さに助けられた感は強いです。

とは言え、僕の中でも本作は嫌いになれない一本で、昔は夢中になって観ていましたね。
“ゴーストバスターズ”が武器にしているビームみたいな装置が欲しくって、仕方がなかったもんですよ。
その他にも、キッチン台に置いてあった卵が勝手に割れていく描写やポップなゴーストの造詣など、
今になって観ても新鮮な感覚で観れるあたりが凄いですね。全然、古びていない。

80年代半ばと言えば、本作をはじめとしてSF映画のヒット作を連発していた頃ですね。
僕の大好きな『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズをはじめ、この頃、映画館へ行く経済的余力があったら、
さぞかし楽しかっただろうなぁ〜。まぁグータラな性格だから、実際に行ったかどうかは分からんけど(苦笑)。。。

特に本作のラスト、「お前らが選んだものを見ろ!」と言われ、
「待てよ、誰も何も想像してないぞ! なぁ?」と周りを見回して、ダン・エイクロイドが気まずそうに、
「だって、“マシュマロ・マン”は怖くないキャラクターだと思って・・・」と言うシーンで笑わしてもらい、
実際に映像として、“マシュマロ・マン”をニューヨークの市街地に登場させるのには驚かされる。
この驚きこそが本作の大きな武器であり、魅力であると思うんですよね。

リチャード・エドランドが担当した特殊効果は特筆もので、
従来には無かった造詣のゴーストを違和感なくスクリーンにフィクスさせただけでなく、
例えば市街地の道路が隆起・陥没するシーンなど、パニック描写においても良い仕事をしています。

元々、リチャード・エドランドは『スター・ウォーズ』シリーズなどの仕事でも知られておりますが、
本作でのデザインの元ネタって、おそらく82年の『ポルターガイスト』にあるのでしょうね。
光が波打ったり、吸収されたり変幻自在に操られるという視覚的発想は『ポルターガイスト』に似ている。
やはりスピルバーグとの仕事が大きかったのでしょうね、本作でも確かに活きています。
(『ポルターガイスト』の特撮も、リチャード・エドランドの仕事)

本作は89年に続編『ゴーストバスターズ2』を同じキャストで製作しましたが、
ヒットが長続きすることなくアッサリと上映終了となってしまい、2本でシリーズは止まっていたのですが、
何と09年になって、20年ぶりに続編である第3作製作の話しが持ち上がってきており、
ひょっとしたら、久しぶりに“ゴーストバスターズ”の活躍がスクリーンで復活するかもしれません。

ただ、春の情報ではリック・モラニスの出演が微妙らしいですね。
どうせやるなら、全員集合して欲しいですね。本作での彼の位置づけは結構、重要です。
彼が演じたルイスは同じアパートに暮らすデイナという女性に夢中で、彼女が帰ってくるたびに廊下で
鉢合わせするように振る舞う、半ばストーカーちっくな税理士を演じています。

そしてデイナを演じたシガニー・ウィーバーが若いですねぇ。
彼女にゴーストがとりつくシーンでは、何故かゴーストがエイリアンのような描写されているのがウケますね(笑)。

まぁいずれにしても・・・この映画の場合は脇役キャラクターも重要ですから、
どうせ続編を製作するなら、是非とも全員集合で実現させて欲しいですね。

あと、主題歌はレイ・パーカーJrの盗作疑惑があった本作の主題歌をそのまま使って欲しいですね。
第2作を観た時、最初に違和感を感じたのは主題歌が違ったことでしたからねぇ。
どの道、第3作は同窓会的な企画になることは否めないので、タイトル・ロゴなんかも本作のを使って欲しい。

とまぁ・・・色々と注文を付けたくはなりますが、ナンダカンダ言って、第3作に期待してます!

(上映時間105分)

私の採点★★★★★★★★☆☆〜8点

監督 アイバン・ライトマン
製作 アイバン・ライトマン
脚本 ダン・エイクロイド
    ハロルド・ライミス
撮影 ラズロ・コヴァックス
特撮 リチャード・エドランド
音楽 エルマー・バーンスタイン
出演 ビル・マーレー
    ダン・エイクロイド
    ハロルド・ライミス
    シガニー・ウィーバー
    リック・モラニス
    アニー・ポッツ
    アーニー・ハドソン
    ウィリアム・アザートン

1984年度アカデミー歌曲賞(レイ・パーカーJr) ノミネート
1984年度アカデミー視覚効果賞 ノミネート
1984年度イギリス・アカデミー賞主題歌賞(レイ・パーカーJr) 受賞