エリック・クラプトン/ジャパン・ツアー2016

Eric Clapton/Japan Tour 2016

2016年4月15日(金)[日本武道館]

       

01 Somebody's Knockin' サムバディズ・ノッキン
02 Key To The Highway ハイウェイの関門
03 Hoochie Coochie Man フーチー・クーチー・マン
04 Next Time You See Me ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー
05 I Shot The Sheriff アイ・ショット・ザ・シェリフ
06 Circus Left Town サーカス
07 Nobody Knows You When You're Down And Out だれも知らない
08 I Dreamed I Saw St. Augustine 聖オーガスティンを夢でみた
09 I Will Be There アイ・ウィル・ビー・ゼア
10 Cypress Grove サイプレス・グローヴ
11 Sunshine State サンシャイン・ステイト
12 Gin House ジン・ハウス
13 Wonderful Tonight ワンダフル・トゥナイト
14 Crossroads クロスロード
15 Little Queen Of Spades リトル・クイーン・オブ・スペーズ
16 Cocaine コカイン
アンコール
17 High Time We Went ハイ・タイム・ウィ・ウェント
またまたやってきました、エリック・クラプトン(笑)。

前回の来日公演時に、パンフレットなどにも散々、「長い旅にも終わりが来た・・・」とか、
本人が大規模なワールド・ツアーから撤退する旨のコメントを掲載していた影響もあって、
確かに誰も「これで最後の来日」とは言っていないものの、無意識的に2014年のツアーで
最後の来日であったかのような触れ込みになってしまっていた影響もあってか、
プロモーターのウドーも気まずかったのか、今回は武道館5日間のみという日程でした。

4月13日が初日公演だったのですが、
このときの評判が芳しくなく、個人的には大きな不安を抱えて会場入りしたのですが、
どうやら、その心配は考え過ぎだったようで、この日のクラプトンはそこまで調子が悪いわけではないようでした。
いや、むしろ前回公演のときよりも調子は良かったようで、ステージに登場したときから、ニコニコ(笑)。

ただ、正直言って・・・クラプトンの調子は良かったと思うのですが、
中間の5曲はアンプラグド・スタイルで、クラプトンはずっと座ってるし、
Sunshine State(サンシャイン・ステイト)のときも、ドラムセットの前で座っていました。
噂によると、クラプトンは股関節が悪いみたいで、おそらく立っているのがツラいんでしょうね。

今回のバンド・メンバーは、ドラムは久し振りのクラプトン・バンドのメンバーとしての来日になった、
プロコル・ハルム≠フヘンリー・スピネッティで、キーボードとして前回同様にクリス・スティントン。

それと、前回と同じスクイーズ≠フポール・キャラックが帯同していて、
今回も Next Time You See Me(ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー)、
アンコールで High Time We Went(ハイ・タイム・ウィ・ウェント)を歌うのは変わりなく、
アンディ・フェアウェザー・ロウには Gin House(ジン・ハウス)、ベースなど弦楽器を巧みに操るダーク・パウエルは
Sunshine State(サンシャイン・ステイト)を歌わせたりと、今回のクラプトンは結構、休んでいましたね。

開演時間は定刻から3分くらいしか遅れず、終わったのは20時50分くらいでしたから、
正味は1時間45分くらいのステージでした。内容的には新作アルバム I Still Do(アイ・スティル・ドゥ)から、
4曲演奏したせいか、僕も途中は一体何の曲をやっているのか、よく分かりませんでした。
(新作アルバムは発売前でしたから、約1万人の観客のほとんどは分からなかったのではないかな?)

その中では I Dreamed I Saw St. Augustine(聖オーガスティンを夢でみた)、
I Will Be There(アイ・ウィル・ビー・ゼア)は結構、良かったかなぁ。今のクラプトンによく合っている感じです。

この日はステージに登場したときから、笑顔でしたが、
相変わらずMCは無く、せいぜい「サンキュー」と一言だけ。最後もニッコリと笑顔でステージから去って行きますが、
これも実にアッサリしたもので、余韻も何も無い良くも悪くもクラプトンらしいステージだったと思います。

最後のアンコール、High Time We Went(ハイ・タイム・ウィ・ウェント)にしても、
前回のツアーと全く同じ終わり方だから、既に分かってはいたけれども、
あくまでクラプトンのコンサートなのに、故ジョー・コッカーのヒット曲をポール・キャラックに歌わせて、
クラプトン自身は全く歌わず、お得意のギター・ソロがあるわけでもなく、これもアッサリと終了。
おそらく Layla(いとしのレイラ)などのヒット曲を期待していた人も多かったとは思うのですが、
実にアッサリと終わってしまうのが、如何にもクラプトンらしい自分勝手なエンディングで思わず笑ってしまいます。

ポール・キャラックのソウルなヴォーカルも相まって、
High Time We Went(ハイ・タイム・ウィ・ウェント)は実にカッコいい終わり方なのに、チョット勿体ないですね(苦笑)。

この日最大の見せ場は、やはり中盤の I Shot The Sheriff(アイ・ショット・ザ・シェリフ)。
相変わらず6〜7分のうち、最後の3分弱がめくるめく、ギター・ソロを展開するのだけれども、
前回の横浜でも、この曲だけは良かったので、今回もそのときの良さを保っていて嬉しかったですね。

話題となったのは、クラプトンのファッションで、
初日からずっと、何故か下はジャージを愛用しているようで、この日もそうでした。
前回も寝ぼけたような姿でステージに上がってきましたが、次第にカジュアルを通り越して、
ほぼほぼファッションに気を遣わなくなったというか、やっぱり「歳とったなぁ〜」と思っちゃいますね。

アンプラグド・スタイルでは、Circus Left Town(サーカス)が良かったですね。
初日前のリハーサルから、この曲をやるという情報は洩れていたので、意外性は弱かったのですが、
Tears In Heaven(ティアーズ・イン・ヘヴン)の代わりに、この曲が入ったというのは、むしろ良かったと思います。

今回はアリーナ席の随分と良い席だったので、
クラプトンの表情が肉眼で確認できる位置だったのですが、アリーナ席は Cocain(コカイン)になってから、
総立ちになったのですが、さすがにアンコールは物足りなさを感じたのか、どことなく落胆感がありましたね(笑)。

2回目の武道館でしたが、相変わらず音は良いですね。
首都圏では、このクラスの会場は横浜アリーナぐらいしか知りませんが(苦笑)、
個人的には横浜アリーナよりは武道館の方が音が良く聞こえるし、ステージも観易く感じます。
できることであれば、末永く大事にしていきたい、日本を代表するアリーナと言っていいと思いますけどね。

スロー・ブルースはここ数年はずっと Little Queen Of Spades(リトル・クイーン・オブ・スペーズ)なんですが、
これはたまに替えて欲しいなぁ。以前は日替わりだったのに、最近はほぼ固定ですからね。

Five Long Years(ファイヴ・ロング・イヤーズ)や Old Love(オールド・ラヴ)など
日によって替えていた頃が懐かしいですね。あの頃はそんな特別なことだとは思っていなかったけど・・・。

まぁ・・・ワールド・ツアーではないし、
日本だけの特別公演を5日間もやってくれるなんて、クラプトンの中では明らかに
日本に特別な思いがあることを象徴しているとは思えるだけに、また来て欲しいですね。

もう高齢だし、日本まで来ること自体が大変なんだろうけど。。。