エリック・クラプトン/ジャパン・ツアー2006

Eric Clapton/Japan Tour 2006

2006年11月26日(日)[札幌ドーム]

       

01 Tell The Truth テル・ザ・トゥルース
02 Got To Get Better In A Little While ガット・トゥ・ゲット・ベター・イン・ア・リトル・ホワイル
03 Old Love オールド・ラヴ
04 Motherless Children マザーレス・チルドレン
05 When You've Got A Good Friend いい友だちがいるならば
06 Key To The Highway ハイウェイの関門
07 Outside Woman Blues アウトサイド・ウーマン・ブルース
08 Nobody Knows You When You're Down And Out だれも知らない
09 Running On Faith ランニング・オン・フェイス
10 After Midnight アフター・ミッドナイト
11 Little Queen Of Spades リトル・クイーン・オブ・スペーズ
12 Anyday エニイデイ
13 Wonderful Tonight ワンダフル・トゥナイト
14 Layla いとしのレイラ
15 Cocaine コカイン
アンコール
16 Crossroads クロスロード
まさかのクラプトン、2回目の札幌上陸です。
今回は当初“Back Home Tour”と題されてスタートしましたが、今までのクラプトンのステージとは違って、
若い腕利きをバンドに入れて、まるでバトルのような演奏が繰り広げられると評判が良かったんですね。

現に私は、06年の5月にヨーロッパで行われたコンサートの音源を聴いていました。
確かにこれは久しぶりにバトル感溢れるバンドで、セットリストも日替わりな感じで楽しい。

案の定、日本公演が実現したのですが、東京をはじめとして、凄い回数の公演が組まれました。

しかも今回はデレク・トラックス・バンド≠フデレク・トラックスと、
ドイル・ブラムホールU、スティーブ・ジョーダンがバンド・メンバーとして参加するなど、
おそらくもうこんなクラプトンは見れないでしょう。というわけで、意気込んで見てきたのです。

行ってみたら、チョット拍子抜けしてしまいましたね。あまりにガラガラで。
前回のクラプトンの札幌公演は4万人超えという超満員の人混みでのライヴでしたが、
今回はおそらく1万人〜2万人ぐらいしか入っていないでしょう。スタンド席はほとんど使っていませんでした。

まぁ01年の“レプタイル・ツアー”の頃からそうなのですが、
マスコミは「コレが最後のジャパン・ツアー!」だのと煽るから、こういうことになるんですね。

結論から言いますと...その期待を裏切ることのない、素晴らしいライヴでした。
ただ、おそらく退屈な人には、この上なく退屈な1時間50分だったことでしょうね(笑)。
いや、別に馬鹿にする意味ではなく、それは仕方のないことだと思います。

但し、もうこれはクラプトンのソロ・ライヴというよりも、
クラプトンと彼の仲間たちがデレク&ザ・ドミノス≠再現したライヴって感じですね。
ですから、これは70年に1枚のオリジナル・アルバムで解散したデレク&ザ・ドミノス≠ニして発表した
Layla And Other Assorted Love Songs(いとしのレイラ)の熱心なファンに向けたライヴなんですね。

あまりに志向がこれまでのライヴとは異なり過ぎて、違和感を覚えるぐらいでした。
「オイオイ、どうしちゃったんだよ、クラプトン!」と言いたくなるぐらいのアクティヴさです。

今回のツアー、注目したいのはデレク・トラックスのスライド・ギター。
デレク・トラックス・バンド≠ニして来日したって、それだけで成立する存在なのに、
クラプトンのバンドマンとして参加するなんて、なんて贅沢なんでしょうか!

ジャパン・ツアーが始まって、ずっとファンの間で言われていたのは、
いつWhy Does Love Got To Be So Sad?(恋は悲しきもの)を演奏するのかと言われていたこと。

で、今回は残念ながら聴けませんでしたぁ。そろそろやるかと思ったんだけどなぁ。

で、ライヴは始まったら、快調にクラプトンは飛ばしまくり、アッという間の1時間45分でした。
余計なMCは一切なしで、いつもの如く、日本語で「どォーもォ」しか言わない(笑)。

始まりはTell The Truth(テル・ザ・トゥルース)からで、これは始まりの曲としては微妙だなぁ。
2曲目はおそらくクラプトン自身、少なくとも30年以上は演奏していなかったであろうと思われる、
Got To Get Better In A Little While(ガット・トゥ・ゲット・ベター・イン・ア・リトル・ホワイル)も、
ベースのウィリー・ウィークスのソロもキマって、アウトロのコミカルな展開も、バッチリ。

そしてOld Love(オールド・ラヴ)は長い展開になりましたが、これも聴き応え十分。

そして是非とも生で聴きたかったMotherless Children(マザーレス・チルドレン)!
まるで狂ったように速いテンポで、怒涛のギターの応酬だったのですが、これも素晴らしかったですね。
お互いに追いかけるようにギターのリフが楽しそうに響き合うのが、実に楽しかったですね。

そしてアコースティック・セットでは、
早速、初出しのWhen You've Got A Good Friend(いい友だちがいるならば)が登場。
これは前回のツアーでも演奏していたので、個人的にはもっと珍しいのが聴きたかったんだけど・・・。

予想していた以上にNobody Knows You When You're Down And Out(だれも知らない)、
Running On Faith(ランニング・オン・フェイス)、この辺が良かったですね。

再び、エレクトリック・セットに戻ってからは、スピード感満点のAfter Midnight(アフター・ミッドナイト)、
延々とジャムが続くLittle Queen Of Spades(リトル・クイーン・オブ・スペーズ)と圧巻の展開で、
そして感動したのは、何と言ってもAnyday(エニイデイ)! これは凄〜く、聴きたかったんです!

最後はお約束の展開でしたが、アンコールのCrossroads(クロスロード)はカッコ良かったですねぇ。
やっぱり今回のクラプトンは一味も、二味も違いました。なんか演奏のキレが良かったですね。

どうせだから、直近の新作アルバムだったBack Home(バック・ホーム)から、
1曲ぐらいやれば良かったのに・・・とは思いましたが、今回は完全に“ドミノス・ナイト”でしたね。
05年にクリーム≠フ再結成をやってましたから、徐々に総括が始まっているのかもしれません。

あんまり根拠はないけれども、これは「まだ来日するな」と思えた一夜でした(笑)。