エルトン・ジョン/ロケット・マン・ソロ・ツアー2007

Elton John/Rocket Man Solo Tour 2007

2007年11月21日(水)[日本武道館]

       

01 Your Song 僕の歌は君の歌
02 Sixty Years On 60才のとき
03 The Greatest Discovery 驚きのお話
04 I Need You To Turn To 君は護りの天使
05 Border Song 人生の壁
06 Ballad Of The Boy In The Red Shoes 赤い靴の少年のバラード
07 Daniel ダニエル
08 Honky Cat ホンキー・キャット
09 Rocket Man (I Think It's Going To Be A Long, Long Time) ロケット・マン
10 Tiny Dancer 可愛いダンサー (マキシンに捧ぐ)
11 Mona Lisas And Mad Hatters モナ・リザ・アンド・マッド・ハッター
12 Nikita 悲しみのニキータ
13 Philadelphia Freedom フィラデルフィア・フリーダム
14 Sacrifice サクリファイス
15 Ticking ティッキング (母さんの言葉)
16 Roy Rogers 歌うカウボーイ、ロイ・ロジャース
17 Sorry Seems To Be The Hardest Word 悲しみのバラード
18 Candle In The Wind 風の中の火のように (素敵な歌手、ノーマ・ジーン)
19 I Guess That's Why They Call It The Blues ブルースはお好き?
20 Electricity エレクトリシティ
21 Carla Etude / Tonight [Medley] カーラのエチュード / トゥナイト [Medley]
22 Take Me To The Pilot パイロットにつれていって
23 Blue Eyes ブルー・アイズ
24 Levon リーヴォンの生涯
25 Bennie And The Jets ベニーとジェッツ (ヤツらの演奏は最高!)
26 Don't Let The Sun Go Down On Me 僕の瞳に小さな太陽
アンコール
27 I'm Still Standing アイム・スティル・スタンディング
28 Circle Of Life サークル・オブ・ライフ
やっと実現しました、6年ぶりのエルトン・ジョン来日公演。
キャリア40年目にして、今回はエリック・クラプトンの25周年アニヴァーサリー・ツアーのサポートとして
参加したときも加えても、7回目の来日というのですから、決して多い方ではありません。

しかも今回、エルトン生誕60周年記念ということで、
やや久しぶりの完全ピアノ弾き語り公演で、日本公演は2日間だけのスペシャル企画。

日本公演の前には、バンド形式でのツアーを行っていましたので、
今回の来日公演がどういう感じで進んでいくのか、想像がつかないまま東京へと移動しました。

まぁ仕事休んでまで行ったわけなのですが(苦笑)、一抹の不安はありました。
それは07年の春にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われた“60 in 60”という特別ライヴを、
インターネットでストリーミング放送していたので、最初っから最後までずっと観ていたのですが、
お世辞にもエルトンの喉の状態が良いとは言えず、声がかなり出ていなかったように感じられたことでした。

人生、初めての武道館までの道のり、数多くのサラリーマンにもまれながら(笑)、
いざ中に入ると、アリーナ席はほぼ満席、スタンド席も1階席はほぼ満席、2階席も6割は埋まっていました。

コンサートの開始は予定より約10分ほど遅れましたが、
真っ赤なジャケットを纏ったエルトンがいざステージに登場すると、猛烈なオーラでビックリ(笑)。
「初めてカツラを着用したロック・ミュージシャン」だの、「バイセクシャルを公言し、ついに男と結婚した“サー”」など
色々とゴシップの絶えないエルトンではありますが、さすがに今まで生き残ってきただけのことはあります。

以降、ステージにはエルトンただ一人。
グランド・ピアノを弾き語り、たまにYAMAHAのMIDIを応用したサウンド・エフェクトをかけたり、
簡単なシンセサイザーの音は被せていましたが、シンプルなライティングで簡素なステージでしたが、
終演までの約3時間、合計28曲。一人で休むことなく弾き通し、一人で歌い切る、凄いステージでした!
(帰路、近くにいたご夫婦も「60歳だというのに、凄かったねぇ、これは...」と言っていました)

冒頭からYour Song(僕の歌は君の歌)なんて、
エルトン最大のヒット曲をアッサリとウォームアップ代わりに歌えるなんて、凄い自信だ。
「コンヴァンワァ」と言って、サクッと演奏し始めましたが、これは余程、ヒット曲が多くないとできない芸当だ。
最初の5曲は2ndアルバムからの曲で、よほど熱心なファンにしか分からない曲でしょうが、これは良かった。

そして比較的、最近の曲なのに忘れかけていた(笑)、
Ballad Of The Boy In The Red Shoes(赤い靴の少年のバラード)はここで聴いて、その良さを見直しました。

Honky Cat(ホンキー・キャット)はハネたようなピアノ・ソロが長く、
おそらく7分ぐらいは演奏していたのですが、次第にスケールが大きくなっていく、
圧倒的なまでの迫力で客席も大盛り上がり。これはコンサート前半のベスト・パフォーマンス。
続くRocket Man (I Think It's Going To Be A Long, Long Time)(ロケット・マン)なんて、
10分近く続く力強いパフォーマンスでしたが、これこそ壮大なスケールのバラードに変身していました。

「会場に来てくれた、若く美しい女の子に」と言って、
Tiny Dancer(可愛いダンサー/マキシンに捧ぐ)を始めたのですが、これは多くの人が聴きたかったでしょう。

Philadelphia Freedom(フィラデルフィア・フリーダム)を弾こうとしたところ、
何とサウンド・トラブルが発生したようで、凄い雑音に見舞われます。
こういうトラブル、エルトンは短気を起こし易いので心配しましたが、何とか乗り切ってくれました。

中盤は思わず「うへぇ、こんなのも聴けるの?」と驚いてしまいましたが、
Ticking(ティッキング/母さんの言葉)やRoy Rogers(歌うカウボーイ、ロイ・ロジャース)はとても貴重。
もう一つ、ほとんどコンサートで演奏したことがないであろう、Electricity(エレクトリシティ)も貴重でしたね。

メドレー形式になって、10分以上の壮大な演奏になった、
Carla Etude / Tonight(カーラのエチュード/トゥナイト)もあまりに甘美で美しく、印象的でした。

Take Me To The Pilot(パイロットにつれていって)あたりからは、
さすがにエルトンもテンションを上げていったようで、次第にアクションも大きく、客席を煽るようになってきました。
そしてついにLevon(リーヴォンの生涯)では、アリーナ席、最前列の柵を取っ払って、ステージにかぶり付きで
エルトンの演奏を見れるという大サービス。これって、日本では法令上、不可能って聞いた気がしたけど・・・。

Bennie And The Jets(ベニーとジェッツ/ヤツらの演奏は最高!)では、
ピアノ・ソロの途中でグレン・ミラー楽団≠フIn The Mood(イン・ザ・ムード)を挟むという、
お約束のアレンジメントで展開し、やはり7〜8分は続く大熱演で、コンサートはついに終盤に。

アンコール前のDon't Let The Sun Go Down On Me(僕の瞳に小さな太陽)が
終わった頃には、開演から2時間35分ほど経過しており、もう22時近くになっておりました。

そこからアンコールでI'm Still Standing(アイム・スティル・スタンディング)は会場大盛り上がりで、
フィニッシュを飾るCircle Of Life(サークル・オブ・ライフ)の大熱唱には圧倒されてしまいました。
(やるかなぁ〜?と思われていた、Crocodile Rock(クロコダイル・ロック)は演奏されませんでしたが。。。)

一番、良かったのはCarla Etude / Tonight(カーラのエチュード/トゥナイト)のメドレーだったと思います。
心配されたエルトンのコンディションですが、体型は相変わらずの肥満体でド派手な衣装でしたが、
最近で一番、良いのではないかというぐらい声が出まくっていましたし、相変わらずピアノも上手かったです。

そして信じられないのは、Your Song(僕の歌は君の歌)の後のMCと、
Circle Of Life(サークル・オブ・ライフ)の前のMCで、2回も「うっそォーーーん!?」というコメントをしたことです。

「どうもありがとう、トウキョウ!」
「今回のスペシャルな2晩はホントに楽しかったから、来年の春にまた来ようと思うんだ!」
「その時は、また会いましょう!」

正直、リップ・サービスだとは思いますが、2回もMC入れるあたり、既に内諾されているのかもしれません。
(↑結局、これは実現しなかった・・・)

また機会があったら、是非とも参加したいなぁ〜と思える、大熱狂の一夜でした!