エルトン・ジョン・アンド・ヒズ・バンド/ジャパン・ツアー2015

Elton John And His Band/Japan Tour 2015

2015年11月18日(水)[横浜アリーナ]

        

01 Funeral For A Friend / Love Lies Bleeding [Medley] 葬送 / 血まみれの恋はおしまい [Medley]
02 Bennie And The Jets ベニーとジェッツ(ヤツらの演奏は最高!)
03 Candle In The Wind 風の中の火のように(素敵な歌手、ノーマ・ジーン)
04 All The Young Girls Love Alice 女の子、みんなアリスに首ったけ
05 Levon リーヴォンの生涯
06 Tiny Dancer 可愛いダンサー(マキシンに捧ぐ)
07 Believe ビリーヴ
08 Daniel ダニエル
09 Philadelphia Freedom フィラデルフィア・フリーダム
10 Goodbye Yellow Brick Road グッバイ・イエロー・ブリック・ロード
11 Rocket Man (I Think It's Going To Be A Long, Long Time) ロケット・マン
12 Hey Ahab ヘイ・アハブ
13 I Guess That's Why They Call It The Blues ブルースはお好き?
14 The One ザ・ワン
15 Your Song 僕の歌は君の歌
16 Burn Down The Mission 布教本部を焼き落とせ!
17 Sad Songs (Say So Much) サッド・ソングス
18 Sorry Seems To Be The Hardest Word 悲しみのバラード
19 Don't Let The Sun Go Down On Me 僕の瞳に小さな太陽
20 The Bitch Is Back あばずれさんのお帰り
21 I'm Still Standing アイム・スティル・スタンディング
22 Your Sister Can't Twist (But She Can Rock'n Roll) ツイストは踊れない
23 Saturday Night's All Right (For Fighting) 土曜の夜は僕の生きがい
アンコール
24 Crocodile Rock クロコダイル・ロック
エルトン・ジョン、再会するまで8年も必要でした・・・(苦笑)。

前回の来日公演は日本武道館で見ましたが、その際に「来春にまた来るよ!」みたいな
MC入れてたにも関わらず、最近では極めて長いインターバルである8年という歳月が経ちました。
前回はエルトンのみのピアノ・ソロ弾き語り公演で、28曲を2時間40分かけて行うという贅沢な時間でしたが、
東京の日本武道館公演2回のみでしたが、今回は大阪公演も加えて、横浜公演と2回という肩身の狭さ(笑)。

1万3000人のキャパを誇る日本武道館と比べると、やや広い1万7000人のキャパである、
横浜アリーナ公演ということもあって、客足が心配のタネではありましたが、おそらくかなりの招待客がいたとは
思いますけど、それでも最終的にはほとんどのエリアでおおむね埋まっていたので安心しましたね。
(強いて言えば、スタンド席の一番上は空席がありましたけどね・・・)

今回は前回と志向が正反対であり、
一転して、エルトン特有のド派手なバンド・スタイルでのライヴであり、中身は文字通りのゴージャス!

DVDでも観ていたラスヴェガス公演のようなギラギラしたイメージそのもので、
開演が5分ほど遅れて、19時5分頃にスタートしてからは、ほぼノンストップの2時間20分でした。
エルトン、まもなく69歳になりますけど、とにかく凄まじいパワーとエネルギーです。
こう言うとエルトンに怒られるかもしれませんけど、正に驚異的でバケモノのような68歳です(笑)。

まぁ・・・確かに8年前に見たときと比べても、声はかなり苦しくなってるし、ハッキリ言って年とった(笑)。

でも、エルトンの声が厳しい状態にあるのは、もう分かりきったことですし、
そんなことで今更文句言うのは、チョット違う気がするし、それを考慮すると、凄まじく若い。
世間一般の68歳と比較してもしょうがないけど、エルトン、未だに正真正銘のエンターティナーですね。
こういう言い方は少しイージー過ぎるかもしれないけど、これは「プロの仕事」です。そんな印象を受けました。

前回と比べても、あまり喋らなかったけど、それでもほぼノンストップで歌いまくり、
ピアノも弾きまくり、客席の年齢層は高いのに、エルトンはオーディエンスを終始、煽りまくり。
これはホントにロックのコンサートって感じでした。TV中継があったせいか、エルトンもご機嫌だったし。

もう、僕もバンド形式でのコンサートなら、このオープニングで始まって欲しかった、
Funeral For A Friend / Love Lies Bleeding(葬送/血まみれの恋はおしまい)のメドレーから、もう爆死(笑)。

個人的にはあまりの感動のあまり、この冒頭で既に泣きたい気持ち(笑)。

客席も僕はアリーナ席にいましたけど、Funeral For A Friend(葬送)のプロローグで、
墓場の風を表す効果音と、シンセサイザーの前奏が始まった時点で、ほぼ総立ちの大歓声で
異常にテンションが高い。そこからほぼ立ちっぱなしのライヴで、みんなとにかく元気ですわ(笑)。

Candle In The Wind(風の中の火のように/素敵な歌手、ノーマ・ジーン)まではノンストップで、
この曲が終わった時点で、エルトンから一言挨拶。今回は日本語でのMCはここでは無し。
続く All The Young Girls Love Alice(女の子、みんなアリスに首ったけ)は前回公演で聴くことができなかった曲。

Levon(リーヴォンの生涯)は相変わらず終盤の演奏が熱い。
ああいう姿を見ちゃうと、かつてレオン・ラッセルらと熱いジャム・セッションを行っていた時代が思い起こされますね。

パリで発生したIS(イスラム国)が犯行声明を出したテロ事件を批難し、
「愛と希望が必要だと思う」とコメントし、力強く演奏した Believe(ビリーヴ)も印象的でしたね。
そしてアップテンポな Philadelphia Freedom(フィラデルフィア・フリーダム)では曲の終わりに、
エルトンご機嫌なときにでるクセである、ピアノのフタを瞬間的に開けて閉じてドン!と音を立てるシーンが有り、
今回はエルトンのMCは少なく、ほとんど喋らなかったに等しいけど、ご機嫌な様子で良かったと思いますね。

Rocket Man (I Think It's Going To Be A Long, Long Time)(ロケット・マン)では、
冒頭約5分にわたって延々とエルトンの独演が続き、一体何の曲をやろうとしていたのか分からなかっただけに、
圧倒的なピアノ・ソロが続いた先に歌がいきなり始まった際は、さすがにビックリさせられましたねぇ。

この日、一番良かったのは、唯一、エルトンが弾き語りで歌った The One(ザ・ワン)。
比較的、最近の曲ですが、この曲だけ強くエルトンの感情がこもった歌唱だったように感じました。

セットリストとしては、特に珍しい曲は無かったように思いますが、
上手く緩急を付けながら、それでいて惜しみなくヒット曲を披露していきます。
まぁ・・・強いて言えば、Your Sister Can't Twist (But She Can Rock'n Roll)(ツイストは踊れない)は珍しいかな。

Don't Let The Sun Go Down On Me(僕の瞳に小さな太陽)の前にバンド・メンバーを紹介。
そしてここからはエルトンが手招きして、アリーナ席前方の客はステージに張り付いて見ることを許されてました。

続く The Bitch Is Back(あばずれさんのお帰り)以降は、怒涛のロックンロール・サーカスって感じでした。
とにかく今回のエルトンはテレビ生中継が入っていることも意識してるのか、曲間に観客を煽る、煽る。
海外のコンサートでも、ここまで観客を煽りまくるエルトンは見たことがなかったですね。

最後はお約束の Saturday Night's Alright (For Fighting)(土曜の夜は僕の生きがい)で終了。
ステージの上ではエルトンだけではなく、他のバンド・メンバーもなんだかやりたい放題でした。

アンコールになると、すぐにエルトンはステージに登壇してきて、
ここで恒例のサイン会(笑)。凄まじく丁寧にサインに応じるせいか、ほぼ関係ない人はおいてけぼり(苦笑)。
そこからは Crocodile Rock(クロコダイル・ロック)だけで終わりでした。それでも充実の2時間20分!
何度も言いますが、エルトンは歌ってピアノ弾いて、ノンストップの2時間20分でした。

ホントに凄まじい、バケモノのように恐ろしくタフな68歳です。
声は更に苦しそうに歌うのですが、まだまだ現役感バリバリだし、もっと続けて欲しいですねぇ。

コンサート終了後の観客の追い出し曲は、Song For Guy(ソング・フォー・ガイ)を会場に流す、芸の細かさ(笑)。
エルトンもインスタグラムにアップしてましたが、やはりかなりゴキゲンだったようで、次の来日公演も期待できます。

もうチケット代がおそろしいほど高騰してますけど、
この日のステージはその金額に見合った内容であったと断言できます。
それぐらいに質の高い、実に教科書的でまるでお手本のようなエンターテイメント・ショーでした。

横浜アリーナは新横浜駅からのアクセスも良いし、音響なんかも申し分ないんだけど、
アリーナ席はもっと傾斜が付いてた方が見易いなぁ。前回は2階席だったけど、
ステージに近いところだったから、よく見えたのですが、今回の席は少し見づらかったのが心残りでした。