ボブ・ディラン/Never Ending Tour 2014

Bob Dylan/Never Ending Tour 2014

2014年4月14日(月)[ZEPP SAPPORO]

       

01 Things Have Changed シングス・ハヴ・チェンジド
02 She Belongs To Me シー・ビロングス・トゥ・ミー
03 Beyond Here Lies Nothin' ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシン
04 What Good Am I? ホワット・グッド・アム・アイ?
05 Waiting For You ウェイティング・フォー・ユー
06 Duquesne Whistle デューケイン・ホイッスル
07 Pay In Blood ペイ・イン・ブラッド
08 Tangled Up In Blue ブルーにこんがらがって
09 Love Sick ラヴ・シック
休憩(20分)
10 High Water (For Charley Patton) ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パットン)
11 Simple Twist Of Fate 運命のひとひねり
12 Early Roman Kings アーリー・ローマン・キングス
13 Forgetful Heart フォゲットフル・ハート
14 Spirit On The Water スピリット・オン・ザ・ウォーター
15 Scaret Town スカーレット・タウン
16 Soon After Midnight スーン・アフター・ミッドナイト
17 Long And Wasted Years ロング・アンド・ウェイステッド・イヤーズ
アンコール
18 All Along The Watchtower 見張り塔からずっと
19 Blowin' In The Wind 風に吹かれて
ついにやってきました、ボブ・ディランの札幌公演。

どうやらディランは97年に札幌に来たことがあります。
そのときは北海道厚生年金会館だったらしいです(現・ニトリ文化ホール)。

まぁ・・・いろいろとディランのコンサートについては噂を聞いていたので、
それなりに下調べをし、どんな感じか把握した上での参加だったので、それなりに覚悟していました(笑)。

2010年、ディランは東京を中心にZEPPツアーを敢行しており、
何故か最近の来日公演では、ホールでのコンサートは取り止め、ライヴ・ハウス・ツアーになっている。
日本以外では、普通にホール・ツアーをやっているので、なんでライヴ・ハウス・ツアーなのかはよく分かりません。

いざ、会場に行ったら、「平日の公演だし、珍しく札幌で2日間ある公演の2日目だから、ガラガラでは?」と
勝手に余計な心配をしておりましたが、その心配もなんのその、おそらく1000人近くは集まっていたでしょう。
1階のスタンディング・スペースも、ギュウギュウではないにしろ、それなりに埋まっているという印象でした。

事前に以下の情報だけは仕入れていました。
 ●ディランはもうギターを弾かない
 ●ディランは今回、やたらとハーモニカを吹く
 ●曲の終わりに、やたらと“決めポーズ”を入れたがる
 ●たどたどしくグランド・ピアノを弾く
 ●歌うというより、既に唸っている
 ●原曲を完全に無視したアレンジで、熱心なファンでも分からないことがある
 ●途中で休憩が15分ほどある
 ●ほとんどMCらしい喋りはない

で、これらは全てあたっています(笑)。
そりゃあ、もう...よく“唸って”ました(笑)。何歌ってるのか、よく分からない曲が多いです。

でもですよ、で・も。

客席は盛り上がってましたね。海外の方も来てましたが、
さすがはライヴ・ハウスなだけあって、ステージから凄く近くて、ディランも近い(笑)。
そのせいか、やたらとLIVE感が強くって、ディランはディランなりにノリノリだったように思います。

外はまだ寒いせいか、ダウンジャケット着てたんですが、
会場はスタンディングのせいもあって、やたらと暑く、ジャケットをどうしようかと悩みました(笑)。

コンサートが始まったのは、時間にやたらと正確で開演予定時刻の19時。
海外アーティストのライヴにしては珍しく、ほぼ時間通りだったと思います。
これがディランのコンサートのお約束なんでしょうか、何故か学校のチャイムみたいな合図がありました(笑)。

ステージに登場したディランはカウボーイハット被って、
黒いジャケットを着ていましたが、途中から暑かったせいか、カウボーイハットを脱ぎました(笑)。

冒頭、スタンドマイクの前で朗々と歌い始めたディランでしたが、
アップテンポな曲で、「一体、何の曲なのか?」と疑問に思っていたのですが、
途中で歌詞がなんとなく分かって、これがThings Have Changed(シングス・ハヴ・チェンジド)と分かりました(笑)。

基本、ディランのコンサートはずっとこんな感じです(笑)。
熱心なファンでも、しっかり聴きこまないと分からないですね、あれでは(笑)。

2曲目She Belongs To Me(シー・ビロングス・トゥ・ミー)で、早速、得意げにハーモニカを吹きます。

で、3曲目のBeyond Here Lies Nothin'(ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシン)でピアノを弾きます。
さり気なくディランは観客を煽るようにピアノを弾くので、ギター辞めてからピアノが楽しいんでしょうね。
ディランのピアノがたどたどしいと言われておりましたが、思ったよりも積極的にピアノを弾いてますね。
モダンなアレンジで、ディランのピアノも目立つ演奏になっていて、これはカッコ良かったですね。

Love Sick(ラブ・シック)では、ディランはスタンドマイクの前で得意げに決めポーズのように、
左手を腰にかけ、観客に何かをアピールするかのように、ステージに仁王立ち(笑)。
この決めポーズは、コンサートの終焉まで、幾度となく見せてくれましたんで、意外に目立ちたがり屋かも(笑)。

15分と聞いていた休憩は20分ぐらいあって、これが立ちっぱなしでキツかったなぁ・・・。
(居場所キープのためにと、ほとんどの人が休憩時間もトイレに行かず・・・)

休憩後も、新作アルバムTempest(テンペスト)からの曲を中心に
少々、気ダルい雰囲気の曲が続きますが、Long And Wasted Years(ロング・アンド・ウェイステッド・イヤーズ)で
ディランは何かを訴えるように観客を煽りながらスタンドマイクで歌い、客席は大盛り上がり。

アンコールもすぐに出てきて、All Along The Watchtower(見張り塔からずっと)も盛り上がってて、
フィニッシュはBlowin' In The Wind(風に吹かれて)。最後の最後で、またハーモニカを派手に吹いてジ・エンド。
相変わらず原曲と全然違う曲に変貌していて、往年のファンは戸惑うでしょうが、ディランはドヤ顔(笑)。

しかし、このラストは確かに強烈なカタルシスがあった気がしますねぇ。

終わったのが21時10分ぐらいでしたので、休憩除いたら1時間50分程度のステージでしょうか。
相変わらずMCは一切なく、休憩直前にLove Sick(ラブ・シック)の終わりに、「休憩するよ。またあとでな!」と
言ったぐらいで、まさかのバンド・メンバーの紹介もない(笑)。ややもすると、無愛想な感じ(笑)。

しかし、最後は客席から花束が投げ込まれ、機嫌良さそうでしたし、
会場も異様に盛り上がってましたから、“生きる伝説ボブ・ディラン”を体感するライヴとしては良かったですね。

欲を言えば、Like A Rolling Stone(ライク・ア・ローリング・ストーン)は生で聴きたかったが、
今回のツアーのセットリストはほぼ固定らしいので、古い曲はほとんどやらないのが方針らしい。
そういう意味でディランは、未だ“今を生きる”ミュージシャンで、往年のヒット曲も誰も分からないぐらい、
ド派手にアレンジしまくるわけですから、過去に安住する気は全くないようですね。

新作アルバムTempest(テンペスト)から6曲、
これら6曲を加えて、00年代の曲が合計で12曲とセットリストも懐古主義ではないところを見せつけています。
(60年代の曲は3曲、70年代の曲は2曲しかなかった・・・)

たぶん、年齢的なことを考えると、もう来日自体が最後になるかもしれませんが、
次回があったとしても、札幌は厳しいでしょう。それを考えれば、素直に行っておいて良かったと思います。

しかし、またZEPPへライヴを見に行く機会があったとしても、
「1階スタンディングはやめておこう」と自分が年をとったことを自覚した一日でした(笑)。