ビリー・ジョエル/イン・コンサート2006

Billy Joel/In Concert 2006

2006年12月3日(日)[札幌ドーム]

       

01 Prelude / Angry Young Man プレリュード / 怒れる若者
02 My Life マイ・ライフ
03 Honesty オネスティ
04 The Entertainer エンターティナー
05 Zanzibar ザンジバル
06 New York State Of Mind ニューヨークの想い
07 Allentown アレンタウン
08 The Stranger ストレンジャー
09 Just The Way You Are 素顔のままで
10 Movin' Out (Anthony's Song) ムーヴィン・アウト
11 An Innocent Man イノセント・マン
12 Miami 2017 (Seen The Lights Go Out Of Broadway) マイアミ 2017
13 She's Always A Woman シーズ・オールウェイズ・ア・ウーマン
14 I Go To Extremes 愛はイクストリーム
15 The River Of Dreams リヴァー・オブ・ドリームス
16 We Didn't Start The Fire ハートにファイア
17 Big Shot ビッグ・ショット
18 It's Still Rock And Roll To Me ロックン・ロールが最高さ!
19 You May Be Right ガラスのニューヨーク
アンコール
20 Scenes From An Italian Restaurant イタリアン・レストランで
21 Piano Man ピアノ・マン
ビリー・ジョエルがついにライヴ活動を再開させました。

93年に発表したThe River Of Dreams(リヴァー・オブ・ドリームス)を最後のアルバムとして、
以来、10年以上もの間、新作アルバムの発表がない状態が続いており、更に彼の私生活は荒れ放題。
元モデルの妻との離婚をキッカケに、娘と同じぐらいの年齢の女性と結婚したり、交通事故を起こしたり、
アルコール依存症になり療養施設に入所したり、とにかく彼の私生活はスキャンダラスなものになりました。

「もう無理かなぁ」と思われていた来日公演。
実にアッサリと8年ぶりの来日が実現しましたが、やっぱり不安はありました。

それはビリーがどれだけのコンディションで入ってくるか、よく分からなかったからです。
それは06年初頭のコンサートを収録した実況盤12 Gardens Live(12ガーデンズ・ライヴ)が
僕にはどうしても、そこまで良い出来の実況盤だとは思えなかったからなんですよね。

ビリーの熱心なファンには好評でしたし、確かに選曲もマイナーな曲が収録されていたんですが、
僕が聴いた中で、この実況盤で褒められたのは、これぐらい。もうみんながこの実況盤を褒めるのは、
「マイナーな曲をチョイスしているからでは?」とさえ思ってたわけで、あまり感心できませんでしたね。

で、いざ札幌ドームへ足を運ぶと、
さすがに混んでいましたね。マスコミ発表では、2万5000人強は入ったようで、これはよく入ったと思います。
僕はいくらビリー・ジョエルが人気ミュージシャンとは言え、これはキビしい企画ではないかと心配していました。

特に前週のクラプトン公演があまりの不入りであったため、更に心配だったんですよねぇ。

予定より、約10分遅れて客電が落ち、すぐに始まりました。
ビリーが座るグランドピアノがステージに突如として表れ、いきなりの演奏がスタート!
それは怒涛のピアノの連打が始まるPrelude / Angry Young Man(プレリュード / 怒れる若者)だったのです。

この瞬間からアリーナ席は総立ち。以降、最後の最後までホントに立ちっぱなしでした(...さすがに疲れた)。

My Life(マイ・ライフ)では、相変わらずビリーがアウトロの間、日本語で「バカァヤァロ!」と叫び、
この曲が終わった途端、ビリーはMCを入れ、「ここは野球場みたいだね、音の跳ね返りが凄いよ」と一言。
まぁでも・・・あくまで僕が見たライヴの中では、今回の音響が一番、マシだったかな。席のせいでもあるけど。
この前のローリング・ストーンズ≠フ時は、とにかく残響が凄かったですからねぇ。。。

「日本では必ず歌うよ」と宣言していたHonesty(オネスティ)やThe Stranger(ストレンジャー)はお約束。
チョット残念だったのは、The Stranger(ストレンジャー)のイントロとアウトロの口笛がテープだったこと。
これはもう無理なのかもしれませんが、是非とも、ビリーの口笛が聴きたかったなぁ!

途中、Zanzibar(ザンジバル)を演奏し始めたのは嬉しかったなぁ。
まぁこれはコンサート前半の目玉だったんですけど、終盤のトランペット・ソロが凄まじい。

後半に差し掛かると、スタンド・マイクに変わって、
An Innocent Man(イノセント・マン)を歌ったのですが、これはもうさすがにキツいんでしょうね。
ピアノを弾きながら歌うのも厳しいのでしょうが、やはり声がかなりキビしいのでしょう。

終盤、I Go To Extremes(愛はイクストリーム)は相変わらずスピード感満点の演奏で、
ステージ前方のオッサンが約1名、拳を振り上げて激しく体を揺らしていましたが、その気持ちは分かります。
毎度、ビリーが見せてくれるパフォーマンスとして、最後の“尻弾きピアノ”も見れたし、大満足の一曲でした。
残念ながら、スタッフに歌わせていたAC/DC≠フHighway To Hell(地獄のハイウェイ)が
カットされてしまいましたが、まぁこれはビリーのライヴですから、仕方のない決断だったかもしれません。

そしてThe River Of Dreams(リヴァー・オブ・ドリームス)はエスニックな味付けって感じで、
間奏のビリーのピアノはこの日一番の出来と言ってもいい感じで、実に聴き応え十分でした。

終盤に入ると、再びスタンド・マイクを使ったパフォーマンスに戻して、
Big Shot(ビッグ・ショット)では北海道日本ハムファイターズの帽子を被って歌う、大サービス。
It's Still Rock And Roll To Me(ロックン・ロールが最高さ!)もバッチリ、キメます。

最後はグランド・ピアノ毎、回転しながらYou May Be Right(ガラスのニューヨーク)を大熱唱。

「チョット、東京のレポートと比べると短いなぁ」と思っていたら、アッサリとアンコールへ突入。
私がずっと生で聴きたかったScenes From An Italian Restaurant(イタリアン・レストランで)を取り上げ、
ピアノを演奏して歌うビリーと、サックスのマーク・リベラがふざけ合ってて、凄く楽しそう。
曲が終わると、メンバーはステージから下がってしまうのですが、ビリーは腕時計を指差し、
「まだ(すすきのへ行くには)早過ぎるだろぅ?」と言わんばかりに、オーバー・アクション。

すると、ビリーがハーモニカを装着し、今日も最後を飾るPiano Man(ピアノ・マン)。
最後のサビの部分では、お約束のバンド演奏を止め、客席に歌わせる大冒険(笑)。
これはさすがに尚早な感じで、何とも軟弱なラストになってしまいましたが、まぁ楽しい1時間50分でした。

ただ・・・この日、17時開演だったのですが、
ビリー一行はこの日のうちに東京へ帰る予定だったんですね。実質的に日帰りです。

You May Be Right(ガラスのニューヨーク)から、ずっとビリーが腕時計を
チラチラ見ながら演奏しているのが、横のスクリーンにしっかり映っていたのが、若干、残念でしたね。
終演後も、ステージはありえない速さで撤収していましたし、当初からこれは決まっていたのでしょう。
(ちなみに前日はコンサドーレ札幌の試合があったので、開演時間は早められなかった・・・)

まぁおそらく・・・また来日公演があったとしても、
少なくとも札幌はもう無いでしょうが、こんなに楽しいんだったら、また行きたいなぁ。

これは上手いとか下手とかを云々するよりも、単純に楽しかったライヴとして記憶したいですね。
これだけ一瞬にして時代を戻す力があるビリーの曲って、やっぱ凄いんですよねぇ〜。