2023年8月8日（火）

パシフィック・リーグ公式戦１５回戦

北海道日本ハムファイターズ ｖｓ 埼玉西武ライオンズ

＜エスコンフィールド北海道＞

【勝】 ��橋　９勝６敗　【負】　加藤 (貴)　５勝８敗

【本塁打】 マキノン１２号（Ｌ），奈良間２号（Ｆ)，清宮８号（Ｆ）

（審判）　球審：白井，一塁：梅木，二塁：村山，三塁：川口

ついに移転が実現し、盛況を見せているエスコンフィールド北海道。試合のない日は２回ほど行ってましたが、
初めて試合を見に行きました（笑）。まぁ、野球の試合を見る分には素晴らしい施設ですわ。

野球に特化した施設だし、演出も球団の思いのままにできる環境なので、札幌ドームと比べると
更にショーアップ化されている。球場のどこに座ってもホームベースに向いているので
どこからでも試合に集中して見れる構造になっているとのことですが、一点だけ挙げると、
左右非対称の球場でファウルグラウンドも狭いためか、席によってはポール際の打球はほぼ見えなくなります。
それを除けば、全くストレスなく見れる球場で開場したてなので天然芝のグラウンドも、とっても神戸並みにキレイ。

球場内の案内看板があんまり多くはないので、座席を探すのに苦労させられました。
自分が座っていた席の近くでも、既に座っている人がいるところに他の人が来て、お互いのチケットを
確認し合うみたいな光景がありましたので、ひょっとしたら改善が必要な部分はあるのかもしれません。

フードは札幌ドームもそうでしたが、エスコンフィールドも大混雑なのでここは覚悟が必要でしょう。
（一応、食品の持ち込みも禁止ということになっていますしね・・・）

素晴らしい球場でのシーズンだというのに、当のファイターズは７月入ってからの１３連敗という
大型連敗で苦しい状況。やはりチームに元気がないですね。この日もそう、覇気も感じられない。
スコア以上に力の差を感じさせられる内容でしたね。この内容＆結果でも、これだけの客入りがあるので、
ライトなファンたちにソッポ向かれないうちに本業の野球をなんとかしたいところですね。

この日の先発はファイターズが加藤 (貴)で、ライオンズは��橋 光成。試合前は完全な投手戦をイメージしてました。
ところが、この試合は初回からお互いの先発が点を取られるという、少々荒れ気味の予想外の展開からスタート。

加藤 (貴)はストライク・ゾーンで勝負するのはいいけど、この日は素直に行き過ぎましたね。
ライオンズ打線は何の躊躇もなく、早いカウントから打ってきているように見えたので、
もっとボール球を使っても良かったかも。自滅的ではあったのですが、源田のピッチャーゴロでセカンドスローが
逆球になってしまい、ゲッツーを取れなかったのが痛かった。あれでリズムが狂って、２アウト取ってから、
マキノン、外崎、中村、佐藤と気持ち良く打たれまくって４連打されましたからね。

最後の佐藤のツーベースは、ホームでのキワどいクロスプレーになってリクエスト判定が覆って助けられましたが、
この日の加藤 (貴)の調子的には、あれでセーフになっていたら、もっと大量点を取られていたかもしれませんね。

一方の��橋は加藤 (貴)の乱調に付き合うように、いきなり満塁のピンチを迎えて、
マルティネスに犠牲フライを打たれ、１点を奪われますが、すぐに立ち直って最少失点で切り抜けました。
この差はとてつもなく大きかったですね。球数がかさんでしまい完投できなくなってしまいましたが、
それでも２回以降の��橋は素晴らしかったです。球は速く、重たそう。正直、ファイターズ打線が打てそうな
気配は全くしなかったです。２〜５回の４イニングは全て三者凡退でアッサリ終わらせましたからね。

対照的に加藤 (貴)はなかなか調子がつかめず、３回にはマキノンに一発を喰らい、
４回は自身のワイルドピッチで１点失い（今度のリクエストは判定通り）、５回は３本のヒットを打たれて
犠牲フライで１失点と、堅調に点を取られていった印象。��橋相手に６失点はあまりに重過ぎました。
普通に考えたら、５回途中で降板だったと思うのですが、ベンチも敢えて続投させたのでしょう。
それくらいこの日の加藤 (貴)はあまり良くは見えなかったです。特にマキノンは完全に合ってた。

この日の収穫は鎌ヶ谷から２年ぶりに１軍へ昇格した北浦が久々の１軍マウンドに上がり、
２イニングを見事に零封したこと。ルーキーの頃よりも、かなりコントロールが良くなったのでしょうね。
良い意味で粗削りさが取れて、打たせて取るピッチングに徹していましたね。次は先発で見たいなぁと、
素直に思いました。３番手の石川 直也も故障明けですが、石川はチョット気になる投球内容。
まだ完全に怪我が癒えてないのか、やはりトミージョン手術の影響なのか、球が遅くなったなぁという印象だ。

かつてのスタイルならクローザー候補に上がって然るべきだったけど、今の投げてるボールくらいなら結構キビしい・・・。
この日の最速は１４７ km/hで、フォークはベース板でワンバンするくらいコントロールできておらず、
それ以外にもカーブとスライダーかカット気味の球なのか、やたらと１３０ km/hくらいの変化球が多かったのが
気になりました。以前の石川なら、打たれようが抑えようがもっとズドーーン！と力強い真っ直ぐで押していただろうし、
どこかかばいながら投げているようにも見えたのは、気のせいかな？それは去年の復帰時から気になっていました。

打線はこの日、一番目立ったのは奈良間かな。正直、１番バッターのタイプではないと思うんだけど、
手も足も出ない様相だった��橋相手に、６回にはなんとかスライダーに食らいついてレフト線にツーベースを打ったり、
８回はヤマ張りをしたかのようにインサイドの真っ直ぐをジャストミートでレフトスタンドへホームラン。正にドンピシャ。

この日の高橋はホントに良かったので、あのホームランはよく打ったなぁと思います。並みのルーキーではありません。
守備では課題はあるし、打撃ももっと確実性を上げたいところだけど、将来は中軸を打てる可能性を秘めていると
思います。ドラフトは下位指名でしたが、２０１３年のドラ１だった渡邊 諒の強化版という印象で、もっとブレイクするかも。
（そういう意味で今年は敢えて１軍に出さずに、鎌ヶ谷で野球漬けにするという選択も“有り”だったかも・・・）

アクシデントがあったのは清宮で、１打席目にいきなり自打球が当たって、
自分で歩けないほどに相当傷んでいたので、骨折など一瞬、嫌な予感がしたのですが、なんとか打席に戻ってきて、
ボテボテのファーストゴロでマキノンの怪しい守備も手伝って、全力疾走で内野安打にしたり、よく頑張ってますね。
ルーキーイヤーから色々なこと言われてましたが、球団として辛抱強く育てたことが、徐々に実を結んできた感があります。

ゴリゴリ押してきていた��橋には苦戦していましたが、さすがに最終回の増田の方が攻略しやすかったのか、
最後の最後に打った瞬間それを分かる、ライトスタンドへのホームランを見せてくれたので、まぁ・・・満足（笑）。

前述したように、ファイターズでは奈良間が新戦力として目立っていましたけど、
ライオンズではトップバッターを務めた蛭間が良い働きをしていましたね。数年前だと、岸や若林などフレッシュな若手で
足が速い選手が台頭しつつありましたが、蛭間は今年のドラ１なんですね。西武の単独１位指名で、
６月下旬から１軍デビューだそうで早くも１番を任されているのですから、これはスゴい大抜擢ですね。

実際、この日もトップバッターとしてしっかり仕事してますし、
今後の活躍が予想されますね。ファイターズのドラ１矢澤も二刀流とかで注目されてはいましたが、
１軍にはアジャストしたとは言えず、この日は久々の１軍出場で代打ヒットも打ってはいましたが、
この試合だけを見ると、蛭間の方が早く１軍で結果を残しそうだと思った。

あと、自分と年齢が近いはずですが、中村が相変わらず元気でまだまだ現役を続けられそうですね。
あまり注目されないけど、トップスピードに乗ったら、まだ足も遅くはないし、スライディングが速くてメチャクチャ上手い。

この日も、初回と４回にホームでのキワどいクロスプレーがあって、両方ともリクエストの対象となりましたが、
中村のスライディングの上手さが際立ちますね。特にワイルドピッチのときのは、正直、加藤 (貴)と伏見のバッテリーも
「え！？ （ホームに）くるの？」って感じで慌てていたので、チョットした油断もあったのではないかと邪推してしまった。
中村のスライディングの上手さがなければ、セーフにはできないプレー。動きが機敏で、まだまだ現役ですね。

ファイターズはここにきて、万波のストップ感が痛い。今年は好不調の波を減らすことが課題の一つだったと思うけど、
今は明らかに調子が悪い。難攻不落の��橋から得た６回のチャンスで、初球ゲッツーは見ていてテンションが
ガタ落ちした。万波だけではなく、初球打ちアウトが結構ありましたし、全体的に��橋のどの球を打ちにいくという狙いが
ハッキリしない凡退が多く、素人目には「これでは攻略できないだろうなぁ・・・」と思えてしまった。
��橋は８回でも真っ直ぐは１５０ km/h以上でてましたからね。正直、ライオンズの４番のマキノンとの差は歴然で、
この試合の勝敗は４番の差であったと言うには酷かもしれないが、そう感じたなぁ。

そういえば、試合が始まる頃に座っていた横の若い野球ファン数人で盛り上がっていたのが、
この日の球審が、昨年、佐々木 朗希との“一件”で有名人になった白井さんだったこと（笑）。

この日は２階席でしたけど、内野席で観戦していたので「ストラァァァァァァァァァァァイィィィ！！！！」の叫び声が
球場全体に響いてたのがハッキリと聞こえました（笑）。試合の前半はコールのたびに横で盛り上がってるから、
笑いそうになりました。不思議と見逃し三振のときとかのジェスチャーは普通で、見逃しストライクのコールだけが
やたらとデカいのですが、関西所属なので、北海道で球審することは多くはないので貴重な試合だったかもしれません。
（・・・よくよく調べてみると、今年は結構な回数、エスコンフィールドで球審してますね．．．）

それはともかくとして、やはりファイターズはいろいろと立て直しが必要です。
素晴らしい新球場も、これでは野球の試合以外のコンテンツがメインの施設だから・・・と強がるしかありません。

この日もチラホラと試合の途中で帰宅する人がいて、それはそれで清宮のホームランとか見れてないので、
可哀想だなぁとは思いますが、試合内容的にも確かにそうなっても仕方ない。帰りは確かに、駐車場から車出したり、
シャトルバスが長蛇の列になったり、球場自体が都心から遠かったりするので、帰宅する理由は人それぞれでしょうけど、
それはそれとして粛々と改善してもらうこととして、試合の内容はチームでなんとか良くして、勝っていくしかありません。

このままでは、話題となった「今年１年はトライアウト」と公言していた昨年以下の成績になってしまいます。
今年も６月上旬くらいまでは、そこそこ良かったので期待は膨らんでいたのですが、今の姿はまるで
別なチームのようですね。ベンチも立て直す自信があるのかないのか、よく分かりません。
どのような戦力、チーム状況でもなんとかやっていくのがベンチの責務ですからね。

プロのスポーツで契約があるので、毎年トライアウトをやっているのはどこのチームも一緒であり、
去年のトライアウトに合格したからと言って、今年も同じ結果を残せるわけではないし、誰しも安泰なわけではない。
選手は如何にパフォーマンス良く結果を残すか、チームの勝利に貢献するかを考え行動しなければならないし、
ベンチも如何に選手たちのモチベーションを上げて、チームに勝利をもたらすかを考え続けなければなりません。

それが今は、あまり上手く出来ていないように見えてしまったのが、なんだか残念ですね。

「終わってみれば、あの頃があったから今がある」と言えるシーズンにしたいですね。
帰宅時も球場内で出口を探して珍しく彷徨ってしまい、いざ球場から出たら北広島駅行きのシャトルバスの
長蛇の列を見て絶句してしまい、約２０分強ほどアップダウンある道を歩いて駅に向かいましたが、さすがに疲れたぁ・・・。