2022年9月17日(土)

パシフィック・リーグ公式戦21回戦

北海道日本ハムファイターズ vs 千葉ロッテマリーンズ

<札幌ドーム>

チーム 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 得点 安打
M
1×

【勝】 玉井 1勝1敗 【負】 東條 4勝3敗

【本塁打】 清宮17号(F),今川10号(F),アルカンタラ14号(F)

(審判) 球審:名幸,一塁:森,二塁:石山,三塁:飯塚

       

いよいよファイターズの本拠地が札幌ドームなのも残り僅か。来季から北広島のエスコン・フィールドへ移転します。

2020年3月から続くコロナ禍ということもあり、ずっとプロ野球観戦に野球場へ行くことはなく、
特に1軍のファイターズ戦を札幌ドームで観戦するのは、実に6年ぶりでした。最後に見た、1軍のファイターズの試合は
2017年7月東京ドームでの試合でしたから、やはり5年ぶりの観戦ということで、確かにスゴい久しぶりという感じでした。

試合の前日に敷地内でヒグマの目撃情報がありニュースになりました。
目撃されたという北門を歩きましたけど、ドームの敷地内でまさか「熊出没注意」の赤看板を見るとは・・・(笑)。

この試合はファイターズ・レジェンドという企画のイベントがある試合でして、
ファイターズが北海道移転した際のユニフォームを着て、ヒルマン元監督も来日して、かつての北海道移転時のメンバーで
グラウンドにまるで試合のスタメンのように守備位置に就くというセレモニーがあって、今季初の満員御礼でした。
札幌ドームに4万人を超える観客動員があったのは、コロナ禍に入ってから初めてのことでした。

新庄BIGBOSS率いる中、トライアウトの年と位置づけ選手個人の力を見極めるということで、
ほとんどの選手を1軍登録して試した結果、ぶっちぎりの最下位ということで順位的には苦戦を強いられました。
まぁ仕方ないですけどね、今年のファイターズを見ていると。ハッキリ言って、勝ちに行く野球をほとんどしていないんで。
ただ、この日は負けたら年間最下位が確定するということで、せっかくの満員御礼の試合、これで負けて最下位確定は悲しいです。

というわけで、この日はファイターズ・ナイン、頑張りました。でも、相変わらずの守乱はあったけど・・・。

この日の先発は早くも二桁勝利を決めている伊藤 大海が先発。
ずっと1軍のファイターズを生で観戦していないので、伊藤のピッチングを初めて生で見ました。
今まではテレビで見ていたのですが、今年の伊藤はどことなく昨年の強さを感じないというか、少々スタイル・チェンジした印象。
昨年は力強い直球と、鋭い幾つかの変化をするスライダーを使い分けて、狙うところは狙って三振を取っていましたが、
今年はカットボールのようなスライダーを多用して、球数を減らそうとしたものの、決め球に欠けて結局球数がかかる印象。

でも、今年の伊藤は勝ち運がありました。何故か今年は伊藤が投げると援護がある。
昨年とは大違いなのですが、おそらく伊藤本人は今年のピッチングにそこまで満足してないのではないかと思います。

この日の伊藤は序盤からテンポが良く、相変わらず三振は取れていませんが、
上手く相手を打たせて取るピッチングができていて、しかも序盤は球数が少なく、トントン拍子で試合を作りました。
先発した、今年の登板機会の中では指折りの出来だったのではないかと思います。ただ、疲れが出てきたのか、
試合終盤の8回に差し掛かり、球数が100球近くなってきてスタミナが切れてきたのか、大きな落とし穴がありました。
(ちなみにこの日の伊藤のストレートのMAXは149 km/hだったはずです)

ちなみに最初のレジェンド・セレモニーは試合開始前にフードを買いに行ったものの、
どこも長蛇の列で30分以上並んでいたために、客席で見ることができず、店のモニターで見ていました(苦笑)。

試合が始まってからは、前述したように伊藤の淡々としたピッチングが光りましたが、
相手先発の二木も結構良かったですね。ここ数年は低迷していますが、元はと言えば、ロッテのエース級になることを
期待されていた投手でしたからね。今年は調子が悪いのか、どちらかと言えば、ローテの谷間を埋める感じで投げてますけどね。

2回裏、二木に完璧に抑えられていたファイターズ打線でしたが、またまた出ました、清宮の一発が。
この1週間でホームラン4発と荒稼ぎをしていますが、低めの真っ直ぐをキレイに右中間スタンドへと持っていきました。
これは良い感じで打球が上がったので、客席で見ていても、スタンドまで行ったのではないかと・・・久しぶりに見たホームランに感動。

そこから再び試合は淡々とテンポ良く進み、6回裏に今川がレフトスタンド最前列に突き刺さる一発!
ここでロッテベンチは早々と二木を諦めます。2番手で登板した西野も、かつてはロッテのクローザーでしたが、
今はこういうポジションで投げてるんだなぁ。いろいろな怪我もあって大変だったと思いますが、ブルペンで頑張っています。
ファイターズとしては、ここは攻めどころでしたねぇ。一死満塁の大チャンスを作りますが、清宮がライナーゲッツー。
これも一瞬、センターへ抜けるかと思うほど、良い当たりでしたので惜しかった。でも、ここで追加点をとれないのが、とても苦しい。

7回はやはり元クローザーの益田が登板してきますが、ここでもファイターズは二死満塁というチャンスを作ります。
その前にも近藤が代打起用されたのですが、アッサリ申告敬遠。ここでもスタンドのどよめきが、スゴかった(笑)。

ロッテベンチの満塁策が当たり、このピンチも益田は脱し、試合は終盤の8回に突入します。
まずは茶谷の三塁線への痛烈な当たりを谷内が上手く捕球できずに内野安打になりましたが、これはよく止めたと思います。
あれは三塁手の見せ場であることは事実ですが、あれが抜けていれば確実に2塁打以上でしたからねぇ。
ファイターズが色々とマズいことになっていたのは、これ以降(笑)。まずは、荻野がセーフティ・バント気味に転がすと、
荻野自身もセーフになり、バントヒットになります。これ、難しいとは思ったけど、スタミナ十分の伊藤であれば、
荻野を刺せたのではないかと思った。緩慢とまでは言わないけど、少し動きが重たかったように見えましたね。
それを裏付けるかのように続く、部の送りバントもピッチャー前に転がしたのですけど、1塁辛うじてアウトでしたからね。
もう結構、伊藤自身は体力的にキテいたのではないかと思いますね。続く中村 奨吾には外のカットボール(?)を上手く流し打たれ、
長打になった結果、一気に同点に追いつかれます。正直、ここは伊藤の代えどきだったと思いますね。でも、ベンチの決断は続投。

なんとか2アウトにしたものの、それまであまりタイミングが合っているようには見えていなかった井上に、
内角への真っ直ぐかツーシームだと思いますが、詰まりながらも三遊間を破られ、二塁走者の中村 奨吾は一気にホームイン!

ホームでのクロスプレーは後にリプレイ検証されましたが、宇佐見のタッチのタイミングも合わず、
中村 奨吾のヘッドスライディングが実り、一気に逆転。プレーはそれだけで終わらず、打者走者の井上が二塁へ行ったのを見て、
焦った宇佐見は二塁へ送球しますが、これがセカンドの遥か上をスゴい勢いで突き抜けるように、悪送球となり、
センター、右中間寄りのフェンスまで到達するほど外野も追いつかず、打者走者の井上は一気にホームまで帰ってきます。

雰囲気的には守備のミスが頻発するファイターズとしては、一気にトーンダウンでしょんぼり。
結局、シーズン中盤あたりからは、こういうミスが頻発している印象で、こういうのが試合の負けに直結し過ぎですね。
誰もミスを取り返そうという感じでもなく、淡々とプレーとしている印象が強いですね。これは強みではあるけど、弱さでもありますね。

しかーし、しかし!(笑) ドラマはここから始まりました。
8回裏、ロッテのブルペンいぶし銀のベテランと言っていいくらい年季が入ってきた唐川から、アルカンタラが同点ホームラン!
ライナー性の打球でしたが、飛び出しの初速度が速く見えましたから、これは行くだろうと客席からも打った瞬間、確信を持てた。
こうなると、8回表の守備からの乱れって、不思議と忘れてしまうところがあるので、忘れずにしっかり練習すべきですが・・・。

9回はファイターズの玉井が難なく抑えて、9回裏の攻撃に全てを賭けます。
ロッテはサイドハンドの東條ですが、このピッチャーは自分の中では秋吉にタイプ的に似ているように見えるのですよね。

インサイドを攻めたつもりなのでしょうが、東條としては万波へのデッドボールが凄く痛かった。
結局、スコアリング・ポジションに走者を進められて、上川畑のプロ入り初となるサヨナラヒットですからね。
なんだか勿体ない最終回とは思いますが、ファイターズにとってはラッキーで劇的なサヨナラ劇を呼ぶことになりました。

試合の中で目立つ存在というのはいなかったけど、やっぱり上川畑の印象は良かったかな。
こんなに良い選手をドラフト下位で指名できたというのが大きいですね。バッティングも聞いていたより、かなり良いですし。

この日は批判されているエンドランの雨嵐という感じではなかったけれども、中島にセンター守らせる意味がよく分からないなぁ。
どう見ても外野手タイプではない中島を無理矢理コンバートしても、チームとしてもあまりメリットは無いように思うんですがねぇ。
ひょっとして近藤のFAを見据えているのか?とも思いましたが、仮にそうだとしても、怪我が癒えれば松本 剛がいますしね。
まぁ・・・ユーティリティ性を高めて、中島の出場機会を増やそうという意図なのかもしれませんが、中島もベテランですしね・・・。

今年は「成長」がキーワードとして、ファイターズを語られていますが、
個人的にはルーキーやほとんど1軍経験が無い選手を抜擢することもよりも、燻っている中堅・ベテラン選手に刺激を与えて、
如何にブラッシュ・アップするか?の方が、新庄BIG BOSSのファイターズ監督としての真価が問われている気がします。

「コイツ、結果を残せなかったので」と言って切り捨てることは簡単ですが、
ファイターズは今のところ、補強に積極的な球団とは言えないし、今年の松本 剛のような選手を出来るだけ多く目覚めさせて、
そして単年の活躍で終わらないようにさせなければいけない。それが、今後の大きな課題なのではないかと思います。

やはり、年齢ピラミッドのバランスが良いチーム(組織)って、強いですからね。

いずれにしても、色々と言われ続けた札幌ドームですが、
たくさんの思い出を残してくれました。個人的には04年、現役時代の新庄の“幻の”サヨナラ逆転満塁ホームランに始まり、
06年のプレーオフ、稲葉のサヨナラタイムリーで斉藤 和巳がマウンドに崩れ落ち、立ち上がれない光景を目撃し、
惨敗だったけど、夢にまで見た07年の日本シリーズを現地観戦したし、2008年はマー君(田中 将大)、2011年は斎藤 佑樹を、
2014年は大谷 翔平のピッチングを生で見た球場。20年にも満たない短い期間の本拠地でしたが、やっぱり良い球場ですよ。

個人的には北広島のエスコン・フィールドの方が行き易いので有難いけど、
年に数試合は、札幌ドームで試合すればいいのに・・・とも思いますがね。まぁ・・・大人の事情で、色々と難しいのでしょうけど。
千葉ロッテマリーンズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 荻野 .310 5 1 1 0 0 0 0 0 0 三ゴロ 遊ゴロ 三ゴロ 投安 捕邪飛
2 .277 3 0 1 0 0 0 1 1 0 一ゴロ 右安 二ゴロ 投犠打
3 中村奨 .248 4 1 2 2 0 0 0 1 0 左安 右飛 捕邪飛 右翼2
4
安田 .263 4 0 0 0 2 0 0 0 0 空三振 見三振 一ゴロ 左飛
5 井上 .250 4 1 1 1 1 0 0 0 0 二ゴロ 左飛 空三振 左安
6 角中 .224 3 0 0 0 1 1 0 0 0 四球 左飛 三ゴロ 空三振
7
山口 .240 3 0 0 0 0 0 0 0 0 三ゴロ 三ゴロ 三ゴロ
.213 1 0 0 0 0 0 0 0 0 二ゴロ
8 佐藤 .213 4 0 1 0 0 0 0 0 0 二ゴロ 中安 中飛 左飛
9
茶谷 .278 2 1 2 0 0 1 1 0 0 中安 捕犠打 三安 四球
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
二木 3.30 5 1/3 20 77 2 2 6 2 2 2
西野 1.67 0 2/3 3 20 1 0 0 1 0 0
益田 3.00 1 6 16 2 0 2 1 0 0
唐川 3.68 1 5 21 2 1 1 0 2 2
東條 1.76 0 2/3 5 24 2 0 0 0 1 1
北海道日本ハムファイターズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 中島 .194 2 0 0 0 1 1 0 0 0 空三振 一ゴロ 四球
近藤 .297 0 0 0 0 0 1 0 0 0 故意四
万波 .202 0 0 0 0 0 1 0 0 0 死球
2 細川 .143 3 0 0 0 2 0 0 0 0 見三振 遊飛 空三振
打二 石井 .239 2 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振 二ゴロ
3 上川畑 .286 5 0 2 1 1 0 0 0 0 左飛 遊ゴロ 左安 空三振 左安
4 松本剛 .349 2 0 0 0 0 2 0 0 0 投ゴロ 四球 四球 右飛
5 清宮 .212 4 2 2 1 0 0 0 0 0 右本 左飛 遊直 右安
6 木村 .181 3 0 0 0 2 0 0 0 0 見三振 空三振 右飛
アルカンタラ .215 1 1 1 2 0 0 0 0 0 右本
7 谷内 .280 4 0 1 0 0 0 0 0 0 二ゴロ 中飛 左安 遊ゴロ
8 宇佐見 .255 4 0 1 0 1 0 0 0 1 空三振 中飛 左安 遊ゴロ
9 右左 今川 .234 4 2 2 1 1 0 0 0 0 三ゴロ 左本 空三振 右安
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
伊藤 2.99 8 33 113 8 0 4 1 4 3
玉井 3.67 1 4 14 0 0 0 1 0 0