2018年8月5日(日)

イースタンリーグ公式戦

北海道日本ハムファイターズ vs 埼玉西武ライオンズ

<岩見沢市営球場>

チーム 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 得点 安打

【勝】 宮台 2勝1敗 【負】 小川 0勝1敗 【S】 西村 0勝1敗3S 

【本塁打】 郡3号(F)

(審判) 球審:岩下,一塁:山口,三塁:小石澤

       

ファイターズが北海道に移転してきた2004年。
実はこの初年度の鎌ヶ谷ファイターズ、初めての北海道遠征が旭川と岩見沢だったようだ。

この岩見沢市営球場で、イースタンリーグの公式戦が開催されるのはこの時以来で、実に14年ぶりとのこと。

まず、敢えて最初に書き残しておきたいことは、
岩見沢市として、このイベントに対してどれくらいの準備があったか?ということだ。
確かに準備が無かったわけではない。おそらく色々な対策は考えていたのでしょう。
しかし、その準備していたことの周知方法や、当日の予想というものは、全く杜撰なものだったと思う。

勿論、どんなにやっても完璧ということはないし、トラブルゼロということも難しいだろう。

とは言え、一点目はこの球場の収容人数が公称7,500人。
まずもって、こんな観客を収容する能力は無いということから始まる。この日の来場者数は公式発表で6,037人。

しかし、当日、実際に球場に足を運んだ人なら分かると思うが、
内外野全て、足の踏み場がないくらいの埋まりっぷりだったにも関わらず、あれから更にどうやって1,500人も入るのだろうか?
実際、芝生席も全く空きが無くって、チケットを買って球場までは来たけれども、観戦する場所が無くて、
帰えらざるをえなくなった人もたくさんいたはずで、実際にそういう苦情が数多く寄せられたようだ。

これ自体は市の責任とは言い切れない部分もあるが、今一度見直すべきだ。
岩見沢市は札幌や旭川からも近いので、当日はかなりの集客が見込まれていたはずだし、
どうやら北海道教育大学岩見沢校が満員にしようプロジェクトみたいなことを企画していたらしいので、
そうなのであれば尚更だ。そもそものキャパシティーが実際と乖離していたとすれば、それは大きな問題だ。

それから、駐車場の台数が事前告知されていたとは言え、
7,500人入れようという球場なのに、2箇所で合計450台分しか確保されていないというのは、
受け入れ体制に甘さがあるとしか思えない。夕張は5箇所に分かれて、十分にスペースが確保されていて、その差は歴然です。

どんな理由があれど、違法駐車は肯定されるものではありませんが、
事前に用意された駐車場もどこなのかが、特に案内看板も無く分からないし、案の定、すぐにいっぱいになって、
警備員も「自分でなんとかしてください」としか言いようがなく、これでは違法駐車が大量発生することは予想できたはずです。

岩見沢駅と臨時駐車場を用意した岩見沢市役所までのシャトルバスを手配していたのは良かったけど、
予想できた事態もあるはずだし、そもそもの受け入れ体制に甘さがあったと言われても仕方がない気がします。

でも、それくらい市にはこのイベントを大切にして欲しかったんですよね。
珍しく空知管内で2試合の日程で組まれただけに、おそらく空知のプロモーションの要素が強かったのでしょうから。
特製のランチ・プレート含めて、球団挙げてのPR企画だっただけに、こういうところで批判が出るのは勿体ないことだと思います。

で、グラウンドの方はというと、夕張と大差ない印象ですが、外野の芝もキレイに手入れされています。
内容は前日の夕張と一緒だったようだし、あまりの混雑ぶりに立ち寄らなかったけれども、出店のスペースも
夕張よりはしっかりと確保できるスペースがあったので、割りと整然と出来ていたのは好印象ですね。

試合は前日の夕張に引き続いて、特に前半はどこか単調な西武ペース。
ほぼ前情報なしで見に行きましたけど、鎌ヶ谷ファイターズの先発は期待の東大出身ルーキー、宮台。
結果として7回76球の1失点で、勝利投手となったり、内容的にも多少、相手の早打ちに助けられたとは言え、
球威のある真っ直ぐを主体に、コントロール良く、テンポ良く投げ込んでいた印象があって、案外、先発が向いているのかも。
(個人的には、真っ直ぐの威力を生かすという意味で、中継ぎでいく方針かと思っていましたが・・・)

あと、西武の先発の平良という投手は、僕は全く知りませんでしたが、
スリークォーター気味の腕の振りから、実に力強い真っ直ぐと、曲がりの大きそうな変化球でとても打ちづらそう。
彼もまた、ルーキーのようですが、順調に育てば1軍でも活躍できる要素は十分にあると思います。
この日も、当初の予定通りなのか知りませんが、4囘で降板してしまいましたが、この試合で光り輝くものを発していました。

この試合で唯一盛り上がったイニングは、やっぱり鎌ヶ谷ファイターズが逆転した7回だろう。

西武の4番手は、つい先日、中日ドラゴンズから金銭トレードで移籍してきた小川。
かつては貴重な左の中継ぎとして、中日でも1軍で多くの試合で投げていたし、フィリピン代表に選出されたことでも、
大きな話題となった小川なだけに、早く西武に順応して活躍が望まれるのですが、この日はあまり良くありませんでした。

1死から、高濱にヒットを打たれた後で、すぐに郡がレフトスタンドへ高々と舞い上げた打球が、アッサリとホームラン。
これにはさすがにファイターズ・ファンばかりで埋め尽くされたスタンドは大盛り上がりで、2日間で最も大きな盛り上がり(笑)。

その後も平沼が右中間を深々と破る3塁打で出塁し、岸里の平凡なセカンドゴロを金子一がエラー・・・。
味方のマズい守備にも足を引っ張られ3失点してしまったことが、結果として致命傷となり小川は負け投手になりました。
逆の言い方をすれば、鎌ヶ谷ファイターズもこのイニングだけで試合に勝利したという感じで、それ以外はほぼ見せ場なし。

今回の北海道遠征には、事前に清宮が帯同することがアナウンスされていましたので、
前日の夕張の試合もそうだったのですが、いつ出場するのかと待ちわびていたのですが、やはり怪我が完治してないのか、
岩見沢の試合開始前の花束贈呈で出てきただけで、残念ながら試合中に出番はありませんでしたね。
できることなら、1度くらいは代打で出場して欲しかったですねぇ。やっぱり今年話題のゴールデン・ルーキーですからねぇ。

ちなみに、鎌ヶ谷ファイターズの2番手として、道産子ピッチャーの鍵谷が登場してきて、大声援浴びてました。
正直言って、僕は鍵谷がそもそもこの試合で投げていること自体、今シーズンの大きな誤算だと思うのですが、
いち早く調子を戻して、1軍のマウンドに戻って欲しいですね。当初は1軍でクローザーも期待されていたのですから・・・。

それは開幕から1軍にいたはず、ルーキー西村も同様。
GW過ぎまでは1軍でも好投して、生きの良い球を投げていたのですが、開幕からフル回転していた疲労と、
変化球の決め手に欠ける課題が露呈し打たれるようになり、鎌ヶ谷ファイターズで調整を続けているようですが、
まだまだ1軍復活は遠いようで、長い2軍調整になっています。開幕当初は新人王争いもあるかなぁと個人的に期待していたので、
この2軍調整で得るものがあればいいのだけれども、精神的に混迷するような鎌ヶ谷での暮らしにならなければいいなぁと心配・・・。

まぁ幸いにも、この日は鍵谷、西村ともに好投で無失点で切り抜け、試合も珍しく(?)鎌ヶ谷ファイターズの勝利で終わりました。

別に岩見沢に限った話しではないと思うのですが、
冒頭に残した岩見沢市としての受入体制については、イースタンリーグの試合開催を誘致するという意味で、
大きく考えさせられることでした。確かに今までも、駐車場に困ることはありましたが、ここまで不親切だったことは無かったですね。

ですから、最初に開催した2004年はこれで良かったのかもしれませんが、
次第にファイターズが北海道に根付いてきて、今では年1囘の鎌ヶ谷ファイターズの北海道遠征ですから、
それなりに集客力あるイベントなのは間違いありません。その中で、今回のようなことになってしまうと、
球場界隈で迷惑駐車が増えることを助長しているような印象で、いくらパトカーが巡回しても、ほぼ無意味です。

そういう意味で、今一度、行政サイドも受入体制を見直して欲しいですね。

それと、現状、2018年のシーズンは首位独走の西武と2位で首位から離されそうな雰囲気漂う中、
西武と日本ハムの違いを、この2軍の試合からも感じました。ファイターズの選手は、どちらかと言えば素材頼りで、
劇的に伸びているというほどのアピール性あるプレーヤーはいませんね。対する西武は打撃は相変わらずの破壊力で、
オマケに今年は守備、投手陣が良いですね。これが、おそらく今年の首位独走の原動力でしょう。

来年こそは、飛躍的に成長を遂げた試合を見たいと熱望してます!
埼玉西武ライオンズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 金子侑 .293 4 1 2 0 1 0 0 1 0 右飛 左安 左安 空三振
2 山田 .280 3 0 0 0 0 0 1 0 0 三ゴロ 投犠打 右邪飛 二飛
3 .292 3 1 1 1 0 1 0 0 0 左飛 右中3 三ゴロ 四球
4
愛斗 .258 3 0 0 1 1 0 0 0 0 空三振 左犠邪飛 左飛 中飛
5 駒月 .286 3 0 0 0 2 0 0 0 0 一邪飛 空三振 空三振
打指 網島 .314 1 0 0 0 0 0 0 0 0 二ゴロ
6 一二 熊代 .230 2 0 0 0 0 1 0 0 1 三ゴロ 四球 中飛
7
左一 戸川 .219 3 0 0 0 0 0 0 0 0 遊ゴロ 二ゴ併 一ゴロ
8
金子一 .266 2 0 0 0 0 0 0 0 1 二飛 遊ゴロ
打一 鈴木 .203 1 0 1 0 0 0 0 0 0 中安
9
齋藤誠 .200 2 0 0 0 0 0 0 0 0 二ゴロ 遊ゴロ
坂田 .228 1 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振
藤澤 .167 0 0 0 0 0 0 0 0 0
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
平良 8.44 4 16 59 2 0 6 2 1 1
南川 6.12 1 4 16 1 0 1 0 0 0
川越 9.53 1 3 10 0 0 1 0 0 0
小川 4.91 1 7 21 3 1 1 0 3 2
松本 7.63 1 5 25 1 0 0 0 0 0
北海道日本ハムファイターズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 平沼 .259 3 1 2 0 0 0 1 0 0 投ゴロ 投犠打 中安 右中3
2 岸里 .265 3 0 1 1 0 1 0 0 0 四球 中安 中飛 二ゴ失
3 太田 .218 4 0 0 0 1 0 0 0 0 三邪飛 空三振 中飛 左飛
4 森山 .244 4 0 1 0 0 0 0 0 0 右飛 二ゴロ 捕邪飛 左安
5 今井 .247 4 0 0 0 2 0 0 0 0 空三振 二飛 空三振 遊飛
6 姫野 .214 3 0 0 0 1 1 0 0 0 四球 空三振 中飛 二ゴ失
7 高濱 .192 4 1 1 0 2 0 0 0 0 空三振 空三振 中安 中飛
8 黒羽根 .207 2 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振 三ゴロ
打捕 .209 2 1 1 2 0 0 0 0 0 左本 投ゴロ
9 大累 .170 3 1 1 0 2 0 0 0 0 左安 見三振 空三振
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
宮台 5.73 7 24 76 3 0 3 1 2 2
鍵谷 4.50 1 4 13 1 0 2 0 0 0
西村 3.77 1 4 11 0 0 0 1 0 0