2017年7月3日(月)

パシフィックリーグ公式戦11回戦

北海道日本ハムファイターズ vs 埼玉西武ライオンズ

<東京ドーム>

チーム 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 得点 安打
11 15

【勝】 岡本 3勝0敗 【負】 高梨 2勝7敗

【本塁打】 中村16号(L),中村17号(L),中田11号(F),レアード18号(F)

(審判) 球審:秋村,一塁:牧田,二塁:本田,三塁:森

       

念願の東京ドーム観戦。水道橋の駅から歩いていくと、予想していた以上にお客さんがいて、
この日の観衆は平日の月曜日のナイターゲームであるにも関わらず、3万人近い集客があるなんて、さすがは東京(笑)。
今年のファイターズは開幕から、ずっと低調なままで、5月のGW(ゴールデン・ウィーク)あたりはそこそこ勝ちましたけど、
思えば勝ったのは当時のチーム状況が良くなかったロッテやオリックスが中心であり、
上位にいる楽天・ソフトバンク・西武にはほとんど歯が立ちません。

しかも対戦相手の西武は、1軍のブルペン投手コーチだった、森 慎二コーチが急逝しチームにショックが広まったせいか、
5連敗中という状況の中の対戦で、どこか特別な試合だったのかもしれません。

ファイターズは突然、メキシカン・リーグでプレーしていたキューバ出身のドレイクを獲得して、
鎌ヶ谷ファイターズで数試合プレーした後、この日に1軍登録され、いきなり1番での先発出場というトピックスがある試合で、
最悪なチーム状況の中でなんとかしようとする意図は感じられるものの、結果として身を結ばないというのは、
現場が補強して欲しいと考えている弱点と、実際に補強しているポイントがズレているということもあるような気がします。
今回のドレイクは将来性をかっての獲得かもしれませんが、彼は外野手であり、今のチーム状況として補強すべきは
内野手か先発投手なのです。まぁ・・・時期的にそんな手ごろな選手はいないのでしょうけど。。。

今回、初めて東京ドームへ行きましたが、やはりテレビで観ていた通り、狭いですね(笑)。
左中間と右中間の膨らみは深く作られているけど、基本、札幌ドームが見慣れていたせいか、やたらと狭いように感じる。
売店が客席から近いのは魅力だけど、“球場メシ”はイマイチかな(苦笑)。

試合はというと...初回に中田のライトスタンドへのホームランで2点先制。言っても仕方ないですが、
これは札幌ドームなら大きなライトフライですね。西武先発の岡本は今季3度目の先発で、
昨年までは中継ぎで投げていましたが、レアードにはよく打たれていたんですね。この日も不調なレアードでも、
4回にホームラン、6回のセンターフライも完全に捉えられていた良い当たりでした。

それ以外はなかなか球威ある真っ直ぐで押している感じで、
ファイターズ打線もこれまでの岡本のイメージとは違っていたのかもしれません。
話題の強行出場だった大谷も2打席目のライトフェンス直撃の2塁打は、スゴい当たりで、あと一息でスタンドインという当たりでした。

この日は攻撃陣よりも投手陣が残念な出来でした。あまりに簡単にやられ過ぎです。
いくら東京ドームが狭いとは言え、中村に2発喰らったのはいいようにやられ過ぎ。
いずれも外の真っ直ぐに思いっきり踏み込まれてスタンドイン。ダメ押しだったのは、この日、1軍昇格した上原の登板で、
オープン戦のときは凄く今年は期待できるとされていたのに、いざ上がってくると、ほぼメッタ打ち。
145km/hを超える真っ直ぐを武器にする大型左腕なのに、相手打者がほとんど苦にせずキレイに打ち返されるところを見るに、
相手からすると怖さがないのでしょうね。何を要求しても打たれるような感じで、ほぼ相手打者の打ち損じを待っている感じ。

ただ単に、この日の調子が悪かっただけならいいのですが、
チョット先が心配な登板になってしまいましたね。最後はこの日、珍しく一人だけ当たりがなかった秋山に助けられましたが・・・。

西武はやはり変わりましたね。以前のようにつまらないミスをしなくなりました。
今年の1位は難しいかもしれないけど、そう遠くはないシーズンで優勝争いに加わるでしょう。
特に森コーチの尽力もあり、ブルペン陣の強化は素晴らしい。今の野球はブルペン勝負の様相もあるから尚更なのですが、
この日は打たれてしまいましたが、牧田・シュリッター・増田のラインは強力なリレーですね。

この日は7回裏、ファイターズの先頭の石井一のセンターへのライナー性の当たりに秋山がダイビングキャッチを試みましたが、
判定ではワンバウンドでヒットというのがありましたが、これには秋山も辻監督も猛抗議にいき、スタンドも騒然としましたが、
あれは誤審でしょうね(笑)。しかし、そんな誤審がありながらも、今年はその流れを持ってきて、
勝利に結びつけることができないというのが、今年のファイターズの弱さ。
他のチームであれば、ああいったものはビッグチャンスにして一気に畳みかけるところなんです。

この日は珍しく先制しながらも、先発投手がこらえ切れず、結果的にはリリーフ陣も打たれ大敗。
3回に中村に3ランを打たれた時点で、もうファイターズが逆転できそうな気運はほとんど無かったですね。
それぐらい、今年は何度も同じミスを繰り返して負け続けている。昨年の日本一は、いろいろなことが奇跡的に噛み合って
実現した日本一だったように思いますが、そんな日本一を真の実力だと思ってしまうとダメですね。
ひょっとしたら、そんな心の隙間が増長して、今季、いろいろなことが噛み合っていないのかもしれません。

ちなみにこの日投げたピッチャーの中で一番良かったのは公文かな。
彼は巨人から移籍してきて、オープン戦の頃に吉井コーチからかなり期待していると太鼓判を押す記事がでたり、
話題になってしましたが、開幕してサッパリな感じでしばらく鎌ヶ谷に落ちていました。
ただ、6月に戻ってきてからはなかなか良い球を投げていると思いますね。真っ直ぐの角度が良くなりました。

これはそうとう根深いというか、チームを再構築しなければなりません。
あくまでチャレンジャーとしての姿勢を忘れてしまっては、上位に上がれるわけはないと思います。
この日も先頭打者を9イニング中5イニングで出塁を許しているし、残念ながらエラーもありました。

ファイターズのファンは優しいですが、こんな野球をやっているとアッという間にファンは離れます。
ベンチもいろいろな流れを呼び込もうとする気持ちは分かりますが、根本的な部分の治療がままならないまま、
対処療法でしのごうとする姿に限界を感じます。先入観に捉われない野球というのは、理解しますが、
やはりそれも基本がしっかりできていてこそでしょう。今年のファイターズは、その基本が全くできていないように見えます。

栗山政権のファイターズになって、いきなり2012年はリーグ優勝しましたが、2013年はいきなり最下位になりました。
しかし、その後、上手く世代交代させて3位→2位→1位(日本一)とサクセスストーリーを描いてきましたが、
早くも下位低迷の危機です。ファイターズは常勝球団ではありません。
ひょっとすると、早くも次の世代交代の時期がやってきたのかもしれません。

そんなことを思う、酷暑の東京の夜でした。
埼玉西武ライオンズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 秋山 .310 6 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振 二ゴロ 中飛 投ゴロ 一ゴロ 二ゴロ
2 源田 .271 4 2 2 0 0 1 0 2 0 左飛 右中2 四球 三邪飛 中安
3 二一 浅村 .303 5 2 3 0 0 0 0 1 0 右安 右安 右飛 右飛 中安
4 中村 .235 4 3 2 4 0 1 0 0 0 一飛 右本 二直 中本 四球
5 栗山 .275 4 0 2 1 1 1 0 0 0 中安 捕邪飛 空三振 四球 右安
走指 水口 .313 0 1 0 0 0 0 0 0 0
6 メヒア .265 4 0 0 0 1 0 0 0 0 中飛 遊飛 三飛 空三振
木村 .200 1 1 1 2 0 0 0 0 0 左翼2
7 左二 外崎 .216 3 2 1 1 1 1 0 0 0 投ゴロ 見三振 四球 左安 右犠飛
8 炭谷 .257 3 0 2 2 0 0 1 0 0 左翼2 中安 中飛 投犠打 右犠飛
9 右左 金子 .283 5 0 2 1 0 0 0 0 0 二ゴロ 一邪飛 左安 遊ゴロ 左安
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
岡本 2.70 5 2/3 23 94 4 2 5 2 3 3
大石 0.00 0 1/3 1 5 0 0 1 0 0 0
牧田 0.75 1 6 30 3 0 0 0 1 1
シュリッター 1.27 1 5 24 1 0 0 1 0 0
小石 7.00 1 4 19 1 0 2 0 0 0
北海道日本ハムファイターズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 ドレイク .000 4 0 0 0 0 0 0 0 0 遊飛 遊ゴロ 二ゴロ 二飛
大野 .223 0 0 0 0 0 0 0 0 0
松本 .293 1 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振
2 西川 .311 2 1 2 1 0 1 0 1 0 四球 中飛 一ゴロ 二安 中安
3 中田 .239 5 1 1 2 1 0 0 0 0 右本 遊ゴロ 空三振 二ゴロ 三ゴロ
4 レアード .246 4 1 1 1 0 0 0 0 0 遊ゴロ 左本 中飛 中飛
5 大谷 .433 5 0 1 0 0 1 0 0 0 四球 右翼2
走指 田中賢 .244 2 0 1 0 0 0 0 1 0 右安 遊ゴロ
6 大田 .263 4 0 1 0 2 0 0 0 0 空三振 遊ゴロ 空三振 右安
7 石井一 .190 3 1 1 0 1 1 0 0 0 見三振 遊ゴロ 中安 四球
8 清水 .149 2 0 0 0 1 0 0 0 1 遊直 空三振
打右 杉谷 .156 2 0 1 0 0 0 0 0 0 右安 二ゴロ
9 中島 .174 3 0 0 0 2 0 1 0 0 空三振 三ゴロ 投犠打 空三振
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
高梨 3.89 6 28 113 8 1 3 2 5 4
井口 7.71 1 5 23 1 1 1 1 1 1
公文 3.50 1 4 15 1 0 0 0 0 0
上原 45.00 1 9 40 5 0 0 1 5 5