2015年10月1日(木)

パシフィックリーグ公式戦23回戦

北海道日本ハムファイターズ vs 千葉ロッテマリーンズ

<札幌ドーム>

チーム 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 得点 安打
M 10 14

【勝】 涌井 14勝9敗 【負】 有原 8勝6敗

【本塁打】 中田30号(F)

(審判) 球審:西本,一塁:秋村,二塁:木内,三塁:笠原

       

ついに2015年シーズン、札幌ドーム最終戦。
クライマックス・シリーズで対戦する確率が高い、ロッテを迎えての最終戦でしたが、どうも残念な試合でした。

厳しい言い方ですが、選手たちが完全に気が抜けてしまっています。
それは試合を見ていて、明らかです。消化試合が長くなってしまったがために、
モチベーションを保つのは難しかったと思うのですが、それでもこれではイザという時に、これでは心配です。

この日はとにかく打線がつながりません。
2回についに、中田がプロ入り初の30号ホームランを放ちました。
涌井が投じたスローカーブを、よく“溜めて”打てていたので、なかなか内容のあるホームランだったとは思います。
しかし、ハッキリ言ってこの試合、攻撃面での見せ場は文字通り“これだけ”で、とにかく盛り上がらない。
そんなことよりもロッテの選手の方が、目標がハッキリしているせいか、圧倒的に覇気が感じられる。

この日のファイターズの先発は、先週のホークス戦で見たルーキー、有原。
対するロッテの先発は最多勝のタイトルを狙う涌井で、ハーラートップの大谷に並ぶためには、あと2つ。

有原は先週と比較すると、試合の序盤からはどうも危なっかしい立ち上がり。
確かに初回から3回まで3イニング連続で三者凡退でしたけど、9人の打者全員にしっかりとジャストミートされて、
たまたま飛んだコースが良かったというか、バックに守ってもらって取れていた9つのアウトだったせいか、
やはりボロが出るのは早く、4回の先頭の荻野にヒットを打たれてからは、完全に捉えられていました。
こういう出来の日は、やはり2廻り目からが課題ですね。おそらくどうやっても、相手を誤魔化せなかったのでしょう。

これは有原の課題ではありますが、決め球がイマイチだったせいか、
相手打者に粘られる場面が多く、福浦に押し出し四球を与えるなど、制球にも苦しんでいましたね。

結局、5回も3本のヒットを集められて、2点を失い、今シーズン最後の登板は5回4失点。

対する涌井は2回に中田にスローカーブをレフトスタンドに運ばれた以外は、ほぼ完璧。
6回には2アウトから中島に内野安打を許すものの、盗塁王を狙う中島の二盗を捕手の田村が見事に阻止。
さすがに走ってくることは見え見えだったとは言え、田村の肩の強さって、やはり凄まじいですねぇ。
ロッテは主に吉田と田村の若手選手2人で、正捕手の座を競わせているようですが、
個人的には今年は田村の方が目立っていたような気がしますね。まぁ、打撃は相変わらず課題ですが・・・。

心配なのは、登録抹消されてノースロー調整だったのか、
ほぼ1軍帯同でリフレッシュ抹消されていた谷元が久々の登板で、6回に2失点したことで、
これは次回登板が更に重要になってきますね。おそらく試合勘が薄らぎ、肩も軽かったのでしょう。

この日投げた投手としては、ライブリーが好投と言えば、好投でしたが、
基本、劣勢での登板ですからね。何かが変わったという感じではなかっただけに、まだ様子見かなぁ。

最終回は鍵谷、石井と打たれまくって、リリーフには心配のタネが残りますね。
まぁ・・・この日は、1軍での経験を積ませるためと、何故かこの日に1軍登録して、
清水が1軍初出場という試合になったのですが、この辺もさすがに中途半端に感じられた。
もう終盤、残り試合が少なく、おそらくポストシーズンでの対戦相手と予想されるチームとの対戦で、
こういう“お試し出場”をさせるというのは、かなり勿体ない枠の使い方のような気がしてならないんですよね。

勿論、将来的には清水に期待する部分も大きいとは思うのですが、
まだ鎌ヶ谷ファイターズの試合を見ても、他にいっぱい経験を積まなければならないことがありそうですしね。。。

大差をつけられた最終回のファイターズの攻撃は、
藤岡を攻めて、陽、田中、中田と3本のヒットを集めて1アウト満塁の好機を作ったものの、
期待の近藤が併殺打崩れという結果で、その間に1点取るのがやっと。
やはり今季はかなり打ってブレイクしただけに、近藤もこれからかなり研究されてくるでしょうね・・・。

攻撃面でも心配なことはありますけど、それ以上にまずはディフェンスですね。
「打線は水物」と呼ばれるぐらいですから、どんなに調整していても、良いときと悪いときがあるのは避けられません。
あとはその良いときと悪いときの差を、なるだけ小さくすることぐらいしか、やりようがないと思うのです。

問題は投手陣の調整と、防げるエラーですよね。
この日も、実際にゲッツーを取るのが厳しいプレーだったかもしれないけど、
4回のクルーズの内野ゴロで併殺打を取れずに、田中 賢介の送球が逸れて1点献上してます。
やはりこういう防げるミスを減らさないと、ファイターズの場合は勝てないと思うんですよねぇ。

そういう意味でも、かなり早い段階で順位が決定したことが、
悪い意味でチームに影響を与えてしまっていて、どこか緩い空気感があったのは否定できないと思う。
エラーした後でも、「しまった・・・。やってはいけないミスだったなぁ・・・」という想いが弱いというか、
やはりそういう気まずさが希薄なせいか、「二度とこういうミスはしない!」という雰囲気も弱いですね。
そのせいか、順位確定後の実質的な消化試合に入ってからは、こういうイージーミスが頻発しています。

この点では明らかにロッテが上回っていますね。
特にロッテの先発の涌井の球は、全盛期に近いほど力強く、実に見事な投球だったと思います。
クライマックス・シリーズに進むという目標がハッキリしていることもありますが、
それと併せてモチベーションとして持っているものの高さということに、大きな差があるのかもしれません。

こういう違いを埋めなければならないのですが、
いざ1週間半後に予定されている、クライマックス・シリーズで気持ちを上げられるのか?
この疑問がどうしても拭えないまま、選手たちのテンションが低いまま試合が続くというのが、凄く気になりますね。

ちなみに最終回は、今シーズンでの引退が発表されている、中嶋 聡が現役最後のマスク。
ひょっとしたら、バッテリーコーチとしての契約も今シーズンで最後だから、選手としても引退せざるを
えなかったのかもしれないけど、やはりほぼコーチ専業ですから、試合勘が薄いんでしょうね。
鍵谷も石井もリード以前の問題な気がするので、あまり中嶋 聡の問題でもないような気がしますけど、
やはり、こういう出場でも無失点に抑えられないあたりを見ちゃうと、全てが上手く回っていない感じですね。
(この日は引退セレモニーまであっただけに、残念な結果でしたねぇ・・・)

昨年は稲葉、金子の引退に奮起した若手選手たちが
3位からのクライマックス・シリーズでの試合で躍動し、面白いポストシーズンになりましたが、
今シーズンは中嶋 聡の引退でどのように転ぶのか、とっても興味深いところではありますね。

それにしても、シーズンの終わり方が悪すぎる(苦笑)。
週末に千葉で2試合、同じくロッテ戦がありますので、今一度、気を引き締めて立て直しが必要ですね。

どうやら、ブッチぎりの首位フィニッシュだったホークスも、
モチベーションの維持に苦しんでいるようですので、ある意味でチャンスでもあるんだけれども・・・。
千葉ロッテマリーンズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 荻野 .270 6 2 2 0 2 0 0 0 0 右飛 左安 中安 空三振 空三振 右邪飛
2 中右 伊志嶺 .309 4 0 1 2 1 0 1 0 0 遊ゴロ 見三振 投犠打 中安 二ゴロ
3 清田 .321 5 1 2 2 0 0 0 0 0 中飛 左安 中安 二ゴロ 右飛
岡田 .247 0 0 0 0 0 0 0 0 0
4 デスパイネ .259 3 0 1 0 0 2 0 0 0 右飛 四球 四球 三ゴロ 左中2
指走 江村 .000 0 1 0 0 0 0 0 0 0
5 福浦 .268 3 0 1 1 2 1 0 0 0 空三振 四球 空三振 中安
走一 高濱 .265 1 1 1 0 0 0 0 0 0 右安
6 クルーズ .255 2 0 0 1 0 0 0 0 0 中飛 遊ゴロ
走三 今江 .289 2 1 2 1 0 0 0 0 0 右翼3 左安 中犠飛
7 鈴木 .258 4 2 1 1 1 1 0 0 0 中飛 左飛 四球 空三振 右中2
8 三二 中村 .230 4 1 1 1 2 1 0 0 0 遊直 空三振 死球 空三振 右翼3
9 田村 .175 5 1 2 0 2 0 0 0 0 空三振 右安 空三振 右翼2 二ゴロ
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
涌井 3.43 7 23 114 3 1 6 0 1 1
大谷 2.51 1 4 11 1 0 1 0 0 0
藤岡 4.17 1 6 20 3 0 2 0 1 1
北海道日本ハムファイターズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 .262 4 1 1 0 2 0 0 0 0 空三振 空三振 遊ゴロ 左安
2 中島卓 .266 3 0 1 0 1 0 0 0 0 空三振 二ゴロ 二安
飯山 .250 1 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振
3 田中 .286 4 0 1 0 0 0 0 0 1 中飛 中飛 左飛 左安
杉谷 .300 0 0 0 0 0 0 0 0 0
4 中田 .266 4 1 3 1 0 0 0 0 0 左本 右中2 遊ゴロ 左安
5 近藤 .328 4 0 0 1 0 0 0 0 0 遊ゴロ 三ゴロ 三ゴロ 二ゴロ
6 レアード .230 4 0 1 0 1 0 0 0 0 一邪飛 中飛 二安 空三振
7 ハーミッダ .212 2 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振 二ゴロ
打右 淺間 .278 1 0 0 0 0 0 0 0 0 中飛
8 清水 .000 2 0 0 0 1 0 0 0 0 三ゴロ 見三振
大谷 .204 1 0 0 0 1 0 0 0 0 見三振
中嶋聡 - 0 0 0 0 0 0 0 0 0
9 西川 .275 3 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振 中飛 遊ゴロ
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
有原 4.79 5 23 88 5 0 5 3 4 4
谷元 2.95 1 7 24 2 0 2 2 2 2
ライブリー 5.30 2 9 37 3 0 3 0 0 0
鍵谷 4.96 0 1/3 3 3 2 0 0 0 2 2
石井 2.12 0 2/3 4 16 2 0 0 0 2 1