2014年9月3日(水)

パシフィックリーグ公式戦19回戦

北海道日本ハムファイターズ vs 東北楽天ゴールデンイーグルス

<札幌ドーム>

チーム 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回 得点 安打

【勝】 塩見 6勝6敗 【負】 大谷 10勝4敗 【S】 ファルケンボーグ 1勝4敗16S

【本塁打】 杉谷2号(F)

(審判) 球審:東, 一塁:山口, 二塁:本田,三塁:木内

          

実は8月に開催された旭川ナイターへ行きたかったのですが、
残念ながら雨天中止となってしまいましたので、その代わりと言ってはナンですが、
札幌ドームのナイターを見に行って、偶然にも大谷が先発の試合を観戦することができました。

結論から言いますと、今まで観戦したプロ野球の試合としては、
大谷の球は間違いなく、一番、速い(笑)。これは見て明らかな違いでした。

しかし、相変わらず空振りが取れない。初回は三者連続三振で勢い全開でしたが、
二回以降はとにかくコントロールに苦しんで、ストライクが入らない。
ハッキリ言って、楽天の打者も銀次ぐらいしか、まともに大谷の球に付いて来れてないのに、
特に嫌な打者でなくとも、ストライクが入らず、あれよあれよと言う間に、7回までに四死球8・・・(苦笑)。
楽天の打者としては楽だったでしょうね、勝手に出塁できるのですから。ハッキリ言って自滅です。

オールスター後の登板はずっと良くない大谷ですが、
ここは疲労が貯まり易い時期ですし、明らかな踏ん張りどころが来たって感じです。
球自体は凄く良いのと、悪いのとがハッキリし過ぎていて、要所ではつかまり易くなりがちなピッチングでした。

この日は最速158 km/hでしたが、あまり球速にこだわらない方がいいかもしれません。
球場で見ているときも、全力で投げた150 km/hオーバーの直球よりも、
この日は珍しく何球かあった、140 km/h台後半の真っ直ぐの方が、良い球に見えましたね。

オールスター明けの後半戦の登板はだいたい、こういうことがあるのですが、
素晴らしい抑え方をしたかと思いきや、突然、コントロールに苦しんで四球で走者を抱えてしまう。
真っ直ぐもファウルでカウント稼げるのはいいけど、スライダーやフォークで三振取れないと球数ばかりがかかる。

まぁそれでも、被安打2、2失点に抑えたのだから凄い二刀流ですが、
敢えて高い要求をするなら、これからは調子が良くないときに、どれだけ投げられるかがポイントでしょうね。

銀次一人にやられてしまったという感じでしたが、それにしても宮西の登録抹消が痛いですね。
左の中継ぎが実質的に石井しかいませんので、確実性の高い左腕がおらず、
今は好調な右中継ぎとして鍵谷が重用されていますが、彼もどこまで好調が続くか未知数。
早く左の中継ぎを鎌ヶ谷(2軍)から上げた方がいいと思いますね。このままでは、いくらなんでもキツいです。

それがこの日は思いっきり仇となってしまっていて、
1点ビハインドで迎えた最終回の守り、あまり強くないとは言え、追い上げムードが多少なりとも
あったにも関わらず、島内を抑えるためにと投入した鍵谷がタイムリーを打たれて、ほぼ万事休す。
(まぁ・・・簡単に四球で塁を与えた、アンソニー・カーターが悪いんだけど・・・)

9月2日に球団の功労者である、稲葉の現役引退が発表されて、
どうもチーム全体が感傷ムードというか、2位とも4位とも大きく離れた、ブッチ切りの3位独走なせいか、
なにか鬼気迫るものを感じないというか、ただなんとなく試合を消化している空気が漂っていたのは気になるなぁ。

守備も難しい打球があまり無かったせいか、好守で盛り上がるシーンも少なく、
打撃の面でも、楽天の先発、塩見を攻め切れず、伏兵・杉谷のホームランだけに抑えられました。

塩見のピッチングは球場で初めて見ましたが、
ルーキーイヤーと比較したら、体格が一回り大きくなった気がするし、真っ直ぐも速くなりましたね。
以前は130 km/h台半ばが最速って感じでしたが、今は140 km/h超える球を投げてますね。
ルーキイヤーは球威もそうでもなかった記憶があったのですが、この日は結構、差し込んでました。

但し、少し塩見もコントロールが良くない。
6回投げて、多くの走者を抱え続けたわけでもないのに、100球を超えてしまったのは
チョットいただけない。明らかに無駄な球が多かったという印象が強いですね。

ハム打線で唯一、この日、完璧に打ったと言えるのは、なんと杉谷。
元々、パンチ力があるのは知っていましたが、あんなスラッガーみたいなホームラン打つとはビックリ。
ホントに打った瞬間のホームランでしたもん。客席も周りの皆さん、一斉にビックリ。
広い札幌ドームのレフトスタンド、中段まで運びましたからねぇ。さすがに驚かされました。

9回、試合が決した感があった後に、稲葉が代打出場しましたが、
チャンスでもないものの、稲葉ジャンプ決行(笑)。楽天応援団も稲葉ジャンプ!
さすがにみんな、稲葉引退の感慨にふけてたって感覚がありましたねぇ。なんか、空気が違いました(笑)。

試合は最後の稲葉ジャンプが見せ場だったぐらいで、実にアッサリと終了。
さすがにこれは稲葉引退の報に、各選手が思うところがあるのは認めざるをえないとは思いますが、
選手は気持ちを入れ替えなければいけませんね。明らかに気持ちが試合とは違うところにいっています。

最後の守りでのピンチでの鍵谷投入も微妙。そもそもカーター出した時点で微妙だったけど、
1点ビハインドのピンチで突き放されると苦しいのは分かっているのだから、あそこは勝ち継投の投手を
起用すべきでしたね。シーズン序盤なら理解できるのですが、さすがにもうシーズン終盤なわけですし。
栗山監督が言う、本気で頂点を目指すということであれば、この采配でホントに実行していることになるのか、
この日、札幌ドームで試合を観戦していた大部分の人が、疑問に思ったのではないかと思います。

観衆は4月に見たときよりも増えていたので安心しましたが、
こういう3位独走というのも珍しい状況なだけに、モチベーションを維持するのが難しいですね・・・。
それをダイレクトに象徴するような、どこか気の抜けた試合だったように見受けられたのが、残念でなりません。
東北楽天ゴールデンイーグルス
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 松井稼 ..299 2 0 0 0 2 2 0 0 0 空三振 四球 空三振 四球
2 藤田 .282 4 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振 遊ゴロ 左邪飛 中飛
3 岡島 .292 2 1 0 0 1 2 0 0 0 空三振 四球 四球 二直
4 ジョーンズ .216 3 1 0 0 0 1 0 0 0 一飛 四球 三ゴ併 三ゴロ
後藤 .214 0 0 0 0 0 0 0 0 0
5 三一 銀次 .307 4 0 2 2 1 0 0 0 0 見三振 中越2 中安 遊飛
6 枡田 .207 3 0 0 0 1 1 0 1 0 四球 空三振 遊直 一ゴロ
榎本 .100 0 0 0 0 0 0 0 0 0
7 西田 .261 3 1 0 0 2 1 0 0 0 見三振 空三振 遊ゴロ 四球
8 .266 3 0 0 0 1 1 0 0 0 投ゴロ 四球 見三振 二ゴロ
9 島内 .202 2 0 1 1 0 1 1 0 0 左飛 投犠打 四球 右安
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
塩見 4.52 6 24 104 4 1 7 3 1 1
福山 2.02 1 3 13 0 0 0 0 0 0
クルーズ 3.20 1 4 21 0 0 1 1 0 0
ファルケンボーグ 2.22 1 3 11 0 0 3 0 0 0
北海道日本ハムファイターズ
打撃成績 打率 打数 得点 安打 打点 三振 四死球 犠打 盗塁 失策 1回 2回 3回 4回 5回 6回 7回 8回 9回
1 西川 .259 3 0 1 0 1 1 0 0 0 死球 左安 左飛 空三振
2 中島卓 .267 2 0 0 0 1 1 1 1 0 三犠打 空三振 二ゴロ 四球
3 .283 4 0 1 0 1 0 0 0 0 見三振 三ゴロ 左安 二ゴロ
4 中田 .274 3 0 0 0 0 1 0 0 0 三ゴロ 四球 中飛 遊ゴロ
5 小谷野 .279 4 0 1 0 1 0 0 0 0 中飛 中飛 三安 空三振
6 鵜久森 .205 2 0 0 0 2 1 0 0 0 四球 空三振 見三振
市川 .244 0 0 0 0 0 0 0 0 0
稲葉 .265 1 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振
7 大引 .258 3 0 0 0 1 0 0 0 0 三ゴロ 空三振 三ゴロ
ミランダ .228 1 0 0 0 1 0 0 0 0 空三振
8 大野 .181 2 0 0 0 1 0 0 0 0 見三振 投ゴロ
打左 谷口 .252 1 0 0 0 0 0 0 0 0 中飛
9 杉谷 .188 3 1 1 1 1 0 0 0 0 見三振 左本 二直
投手成績 防御率 イニング数 打者数 投球数 被安打 被本塁打 奪三振 与四死球 失点 自責点
大谷 2.46 7 29 126 2 0 9 8 2 2
谷元 1.18 1 3 12 0 0 0 0 0 0
アンソニー・カーター 3.55 0 2/3 3 12 0 0 0 1 1 1
鍵谷 1.02 0 1/3 1 6 1 0 0 0 0 0